イエレン米財務長官、労働市場の軟化なしにインフレ押し下げは可能
(ブルームバーグ): イエレン米財務長官は、労働市場を軟化させずにインフレを鈍化させることは可能だと指摘した。
イエレン長官は25日、ライブ配信されたロイター通信とのインタビューで「インフレを押し下げるために失業が増えなければならない理由は見当たらない」と発言。労働市場が過熱し、賃金上昇圧力がインフレを誘発している証拠はないとした上で、雇用のデータはインフレ率の継続した下向きの動きと「整合している」と述べた。
また1-3月(第1四半期)の経済成長減速については、貿易や在庫といった「特異」な要素が全体の伸びを抑えたとし、特に重大視しない考えを示した。米経済はエンジン全開で前進を続けていると、イエレン氏は述べた。
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また消費者物価上昇の最大の要素は住宅費だとした上で、この要素の寄与は今後1年間に低下すると「確信している」と発言。家賃について、「安定してきており、下落したケースもある」と語った。
一方、利下げの見通しについてはコメントを避けた。その上で、緩和を行う前に、金融当局としてインフレ率が2%目標を達成する軌道にあると確信するにはより多くの証拠が必要だと、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は指摘していると、イエレン氏は述べた。
原題:Yellen Says US Can Bring Inflation Down Without Hurting Jobs(抜粋)
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Christopher Condon