「素晴らしい厄払いできた」 獅子がトラクター回り安全願った「旧二十日正月」 きっかけは平民と士族の対立 売却金分配の和解祝う 宮古島市城辺比嘉
沖縄県宮古島市城辺比嘉の伝統行事で市指定無形文化財の「旧二十日正月(パツカショウガツ)」が旧暦1月20日に当たる2月29日、比嘉集落で行われた。2体の獅子舞が集落内を練り歩き、この1年間に地域住民が購入したトラクター2台の周りを回って安全を祈願した。 【写真】ブラジルで見つかった琉球士族の家譜 トラクターを厄払いしてもらった宮城安博さん(56)は「事故がなく、サトウキビの収穫が増えてくれれば」と感謝した。下地明自治会長(63)は「天気にも恵まれ、今年も素晴らしい厄払いができた。先人が築き上げた伝統を精いっぱい守り抜き、次世代につなげたい」と話した。 字所有の山林に植えられていた松木の売却金の分配を巡り、1908年に平民と士族が対立して訴訟に発展し和解した翌13年から比嘉集落独自の祝賀行事として始まった。沖縄戦で一時中断し、55年に復活した。(宮古支局・當山学)