【ヤクルト】「山田哲人コール心に響いた」8回代打V打「技術より気持ちで打った」乱打戦にけり
<ヤクルト6-5阪神>◇30日◇神宮 両手の感触が心地よかった。ヤクルト山田哲人内野手(31)が、阪神との乱打戦にけりをつけた。8回に代打で決勝適時打を放ち「技術どうこうよりも気持ちで打ちました」と執念の一打で逆転勝利をもたらした。 4点差を追いつき、なお2死一、三塁。武岡に代わって打席に立つと、本拠地・神宮に「山田コール」がこだました。左腕の岩崎にも動じない。「早い段階で左ピッチャーが来たら、コーチから『いくから』と言われていたので」と準備はできていた。カウント2-1からのチェンジアップを左前へ運んだ。打球が内野の頭を越えると、自然と感情が高ぶった。右拳を握って力強くガッツポーズを作り、割れんばかりの歓声に応えた。 お立ち台では声援に後押しを受けたと明かした。「打席の中での大きな『山田哲人コール』が心に響きました」と感謝した。チームは中日と並んで最下位に沈むが、リーグはまだまだ混戦模様。優勝は諦めていない。下半身のコンディション不良などで前半戦は2度の離脱を強いられたが「残り半分ということで前を向いて、チームも、個人的にもしっかり成績を残したい」。頼れる主将の活躍が浮上の鍵を握っている。【平山連】 ○…長岡が貴重な同点打を放った。8回に打線がつながり1点をかえし、なおも3点を追う2死満塁。「誰1人諦めてなかったので、僕も後ろにつなぐという気持ちで打席に入りました」と、阪神4番手の漆原の直球に絞った。真ん中寄りにきた狙い球を逃さず、右中間フェンス直撃の3点適時二塁打。逆転劇を呼び込み「この勢いで後半戦もいきたい」と話した。 ▼高津監督(代打決勝タイムリーの山田について)「結構腹をくくるところはくくっていきますよ、あいつは。代打での経験がたくさんあるわけではないけど、1打席にかける集中力としっかり振る思いきりが素晴らしい」 ▼村上(8回に反撃の口火となる適時打)「後ろにつなごうという意識でした。うまくセンターには運べたんでよかった」