韓国・ソウル近郊の華城市で2024年6月24日、リチウム電池の製造工場で火災があり、消火活動にあたる消防隊員ら=AP

　ソウル近郊の京畿道華城（ファソン）市のリチウム電池製造工場で24日午前10時半ごろ、火災が発生した。消防によると工場の作業員ら22人の死亡が確認された。犠牲になった20人が外国人で、うち18人が中国籍、1人がラオス籍だという。 【写真】ソウル近郊の京畿道華城市で2024年6月24日、火災が起きたリチウム電池の製造工場=東亜日報提供 　消防によると2人が重傷、6人が軽傷を負った。現場の工場2階ではリチウム電池の検品と包装の作業をしており、工場内に3万5千個が保管されていた。目撃者は「リチウム電池が爆発した」と証言したという。消防隊の到着時には電池が連続して爆発しており、捜索や救助が困難な状況だったとされる。 　聯合ニュースが伝えた京畿道の消防災難本部長の説明では、電池から発火したとしている。 　韓国メディアではリチウム電池が過熱して制御できなくなる「熱暴走」が起きて爆発し、その熱によって周りのリチウム電池も爆発した可能性が指摘されている。 　韓国メディアによると、現場の工場では外国人労働者が多く雇用されていたという。韓国では中国籍の朝鮮族が工場労働者や清掃作業員として多く働いている。 　尹錫悦（ユンソンニョル）大統領は24日夜に現場を視察。「発火物質が非常口前に積まれていたため、（作業員らが）脱出できず死者が多く発生した」として遺憾の意を示した。また、「化学物質による火災は既存の消火器や消火栓での鎮火が難しい」として、早期鎮火のための対策を指示した。（ソウル＝太田成美）