巻き寿司の具材で年商9億円 60種類の“巻き芯” 目指すは世界進出
巻き寿司の具材で世界進出を狙う企業が大分県由布市にあります。現場を取材するとそこには、ある企業努力と工夫がありました。 【写真を見る】巻き寿司の具材で年商9億円 60種類の“巻き芯” 目指すは世界進出 由布市挾間町の「吉田喜九州」(よしだききゅうしゅう)。2月3日の節分を前に、急ピッチで恵方巻づくりが進められています。“恵方巻”と言ってもこちらで製造しているのは巻き寿司の中身の具材、“芯”と呼ばれる部分のみ。定番の卵、かんぴょう、カニ風味かまぼこ、穴子などを従業員が手作業で巻き、半製品の状態で冷凍して出荷。全国の小売店やホテルなどで取り扱われています。 (吉田喜九州・中野裕貴社長)「半製品(加工工程の途中にある製品)という形で提供し、取引先で巻き寿司やトルティーヤ、春巻きなどに具材を追加して販売することができる」 吉田喜九州は1995年に創業、京都の老舗玉子焼きメーカーからの暖簾分けで独り立ちし、大量生産を始めました。芯のバリエーションはニーズの増加とともに増え、今ではサラダ巻き用やタコス用など60種類を製造。1日におよそ3万5000本を生産。国内トップシェアを誇り、年商は9億円に。他社の追随を許さない一番の要因はすべて自社製造している点にあります。 (吉田喜九州・中野裕貴社長)「対応がしやすく、『違う味付けの卵焼きにしてほしい』と言われても自社だと開発ができる。それと原料から製品までのトレース(工程の追跡)が非常にわかりやすい」 こうしてメーカーの信頼を獲得してきた吉田喜九州の“巻き芯”。中野社長はさらなる安心・安全を追求したうえで、次のステップを見据えています。 (吉田喜九州・中野裕貴社長)「極力、添加物や保存料を使わないのが弊社のポリシー。国内だけでなく今後、海外も視野に入れていきたい」
大分放送