「ノー」と言えるリーダーが優れている理由
必要なのはマインドセットの転換
■「イエス」から「ノー」へ 「ノー」と言えるマインドセットを身につけるのは、容易ではないかもしれないが、それに伴う見返りはとてつもなく大きい。では、ノーと言えるマインドセットを身につけられる実用的なステップを紹介しよう。 1. 主要な目標を見極める:組織にとって必要不可欠なゴールとは何か、明確に定義しよう。そして、そのゴールを基準にして、新しい要望や取り組みの価値を判断しよう 2. 意思決定フレームワークを打ち立てる:いつ「イエス」と応じ、いつ「ノー」と断わるべきか。その基準を含めた意思決定の体系的アプローチを生み出そう 3. 意見を明確に伝えるコミュニケーションを実践しよう:自信をもって、建設的に「ノー」と言える姿勢を身に着けよう。チームの集中力を最適化し、重要目標の優先順位を決めるという観点に立って、どう返事すべきか考えるといい 4. 成功を祝おう:「ノー」と断わったことで前向きな成果が得られたときは、それを認めてねぎらい、チーム内にこうした姿勢がいっそう定着するよう努めよう ■「ノー」と言える文化を育む 「ノー」は否定的なことではなく、むしろ集中力と効率性を高める手段だとみなす文化を育むことが肝心だ。そうすれば、「ノー」と言うことのメリットが最大限に生かされる。こうした文化を育むための方法をいくつか紹介しよう。 ・理由を伝える:依頼に対して「ノー」と言う根拠をはっきり伝えよう。そうすれば、無下に却下するのではなく、インパクトの大きい仕事を優先していることを、チームに理解してもらいやすくなる ・優先順位を明確にする:優先順位を決めてそれを伝えれば、何に集中すべきか、全員が理解できる。その結果、受け入れる要望と、断わる要望を整理しやすくなる ・建設的な対話を促す:チームメンバーが遠慮なく優先順位について話し合い、疑義を唱えられる環境を育もう。ひいては、相互理解が深まり、一致団結してゴールに邁進する雰囲気が生まれる 戦略的な優先順位付けと、明確なコミュニケーションが可能な文化を育もう。そうすれば、「ノー」と言えるリーダーは、「イエス」しか言わないリーダーを超える働きを見せ、組織をさらなる成功へと導けるだろう。
Cheryl Robinson