【エリザベス女王杯】「三冠牝馬の出る世代強くない説」で古馬上位勢を優先 京大競馬研の本命はルージュエヴァイユ
脂の乗った4歳馬が圧倒、3歳馬受難のレース
11月12日(日)に京都競馬場でエリザベス女王杯(GⅠ)が行われる。オークス2着のハーパーや、府中牝馬Sを制したディヴィーナ、昨年の当レース上位のジェラルディーナ、ライラックなど15頭が参戦する。 【エリザベス女王杯2023 注目馬】GⅠ級の牡馬相手に善戦、平坦コースで牝馬相手なら力は一枚上だ! SPAIA編集部の注目馬を紹介(SPAIA) 混戦模様ではあるが3歳馬が人気になりそうだ。今年はリバティアイランドが三冠を達成したわけだが、3回違うコースで競馬をして3回ともその馬に太刀打ち出来ないという点で、私は三冠牝馬以外の世代レベルが怪しい可能性が高いと考えている。そしてこれを裏付けるデータも用意することが出来た。今回は「3歳消しデータ」を中心に紹介したい。 まずは過去10年の年齢別成績を調べた。調べて驚いたのだが、他のGⅠよりも4歳馬の成績がずば抜けており、【7-3-6-44】でとにかく勝ちが多い。頭数の多さから複勝率は26.7%止まりだが、それでも複勝回収率は111%あるため、できる限り押さえておきたい。 毎年注目される3歳馬は【2-4-2-30】とよろしくない。直近の秋華賞上位馬がこぞって参戦するため人気になりやすいが、その割に馬券外に飛びやすく、3番人気以内の3歳馬は【1-1-1-7】と見栄えがしない。一方、近2年は同年のクラシック惨敗組が展開を味方にここで巻き返しているため、そちらを買ってラッキー狙いの方が良いかもしれない。シンリョクカは前走府中牝馬Sが見せ場なしの惨敗だったため手は伸びないが、トレンドには合っている。 また5歳馬の成績が【1-3-1-54】と悲惨。下位人気の中には、これが引退レースで最後に記念出走、という馬も多い。有馬記念でも好勝負できたラッキーライラックやサラキアのような例はあるが、裏を返せば有馬上位級のレベルに達していない5歳馬は消しでいいだろう。
三冠牝馬相手に惜しい競馬をしていた馬しか通用しない
次に、過去三冠牝馬が出た年のエリザベス女王杯における3歳牝馬の成績を調べた(03、10、12、18、20年の5回)。その成績は【2-2-1-15】。好走5頭の内訳は、その三冠牝馬自身が2頭(03年2着スティルインラブ、10年3着アパパネ)、三冠全て2着だった馬が1頭(12年2着ヴィルシーナ)、三冠全て1番人気かつ秋華賞僅差2着の馬が1頭(03年1着アドマイヤグルーヴ)、英愛オークス馬(10年1着スノーフェアリー)である。 三冠牝馬、あるいはそれと差のない2着馬しか馬券になっておらず、つまり三冠で惜しくもない競馬をしていた馬は通用していないことが分かる。またクラシック不出走の上がり馬も通用していない。ラッキーライラックやウインマリリンなど成長して古馬になってからGⅠを制する馬はいるが、少なくとも今年は静観した方が良いだろう。 オークス2着とはいえ1秒差つけられたハーパー、ローズSからここにきたブレイディヴェーグが鞍上も含めて人気になりそうだが、過去のデータからは問答無用の消しだ。