ソニー、僅か11日でサ終した「Concord」に言及「⼤きな経験と学びを得た」ゲーム事業は過去最高益見込み
ソニーは8日、自社の2024年9月期中間決算を発表し、PlayStationブランドを展開するゲーム&ネットワークサービス部門の通期売上高が4兆4,900億円、営業利益が3,550億円になる予想を公表。過去最高益になる見込みだと明らかにした。 【画像】ソニーのゲーム部門、ハード販売数減もタイトル好調や為替相場が成長後押し【図表】 7-9月期の四半期売上高は、PlayStation 5等ハードウェア関連の減収はあったとしつつも、中国で発売した新作ヒットや、為替差益などが影響したことで前年同期比12%増の1兆715億円に。営業利益も同184%増の1,388億円と過去最高益を更新した。
新規IP創出は「やってみないとわからない」今後も積極展開続ける姿勢
ゲーム展開の核となるプラットフォームビジネスでは、PlayStationシリーズ全体のアクティブユーザー数が1億1,600万アカウントに達したほか、PSNサービスもドルベースで前年同期比18%増となった。そして自社タイトルの開発について、今年発売した「Helldivers 2」の大ヒットを紹介すると同時に、8月~9月に発生した「Concord」のサービス終了事案にも言及し、「⼤きな経験と学びを得ました」と述べた。 「Concord(コンコード)」はSIEが2023年4月に買収したゲームスタジオ・米Firewalk Studiosが手がけたFPSゲームタイトルとして、2024年8月23日にサービスを開始したものの、わずか11日で突如サービスを停止する事態に。購入者に対する返金も行われたほか、つい先日にも開発スタジオの閉鎖が報じられ、注目されていた。 発表会の質疑応答にて、Concordが属する「ライブサービスゲーム」全体の現状を問われた十時裕樹社長兼COO兼CFOは、「まだ学ぶことは多い」と前置きしつつ「新しいIPに関しては、どうしてもやってみないとわからないところもある」と説明。その上で、具体的な反省点として「ユーザーテストとか社内評価をどのタイミングでやるかということ、それをもう少し早いタイミングで検証を重ねるべきだった」と伝えた。 続けて組織体制についても「やや組織が細分化されていて、それを横断したような企画開発、それから販売の連携というのが必ずしもスムーズじゃなかった」という課題が挙げられたと説明した。 そして今後の自社開発タイトルの展開については、「(サードパーティなど色々なウインドウがあるが)最適なウインドウを選んで、できるだけ自分たちのプラットフォームでカニバリゼーション(共食い)が起きないように、マキシマイズ(最大化)できるような形でタイトルローンチをやっていきたい」との方針を伝えた。
編集部 IT/デジタル担当