阪神・豊田寛は初のウオーターシャワーに「まだちょっと興奮している」代打初安打でサヨナラ劇を演出
(日本生命セ・パ交流戦、阪神ー日本ハム、3回戦、18日、甲子園)たった一度与えられたチャンスを生かし、プロ3年目の阪神・豊田寛外野手(27)がサヨナラ劇の起点になった。生還した植田に浴びせられるウオーターシャワー。顔を真っ赤にして、甲子園初安打を振り返った。 【写真】サヨナラ勝利も岡田監督は怒り爆発!「なに考えてるんや、ホンマ」 「なんでもいいので塁に出ようと思っていた。すごく緊張していましたけど、思い切っていこうと。いいピッチャーなので、一球で仕留める準備はしていました」 出番が回ってきたのは延長十一回1死走者なし。原口、糸原と代打の切り札が先に起用されていく中、出番がやってきた。矢沢の144キロ直球を捉えて中前へ。出塁を果たして代走・植田とバトンタッチ。2つのミスが重なるサヨナラ劇の幕を上げた。 2年越しの大仕事だった。ルーキーイヤーの2022年4月8日の広島戦。3―3の九回1死に代打で出場し、甲子園初打席を迎えた。同じくサヨナラ劇の起点作りを託されるも、空振り三振。あの日から2年が立ち、同じようなシチュエーションで結果を出し、悔しさも払拭。「(自分の中の印象が)変わってくれればいいなと思います」と語った。 準備を怠らなかった。7日に昇格を果たし、先発としてプロ初安打を含む2安打も、同じ外野の森下と前川が活躍する中でベンチスタートが続いていた。その中で目に焼きついたのが、同じく控えに回った試合でも1打席の勝負に懸ける原口や糸原ら先輩の姿だった。 「ピッチャーの研究だったり、裏での準備だったり、すごく見習うものがある。それくらいしないと結果は出ない。自分もそのくらい、しっかり準備していきたい」 ひと振りに込める備えと思いを受け継ぎ、代打出場で初安打がサヨナラ勝ちを呼び込む一打。「(ウオーターシャワーは)かけられました。初めてで、まだちょっと興奮している感じです」。そして、次は自分が-。 「そうですね、決められるくらいになれたらいいなと思います」 白星の立役者は真の主役を目指し、さらに研鑽(けんさん)を積んでいく。(邨田直人)