バイデン大統領が次男を恩赦 退任時期迫るなか、司法不介入を転換
バイデン米大統領(82)は1日の声明で、違法に銃を所持したとして有罪評決を受けた次男のハンター氏(54)を恩赦したことを明らかにした。バイデン氏は司法の独立を尊重する立場から、ハンター氏への恩赦を繰り返し否定してきたが、来年1月に退任が迫るなかで、方針を一転させた。 【写真】2024年11月29日、マサチューセッツ州の本屋から出てきたバイデン米大統領(左)と次男ハンター氏=ロイター 共和党のトランプ次期大統領(78)は、司法機関を「武器化」して政敵への復讐(ふくしゅう)を図ることを示唆し、ハンター氏をめぐる疑惑にもたびたび言及している。バイデン氏は恩赦によって、トランプ次期政権下での次男への訴追に歯止めをかけようとした可能性もある。 ハンター氏は6月、薬物依存の事実を偽って違法に銃を所持したとして、米大統領の子として初めて有罪評決を受けた。ロサンゼルスの連邦地裁で脱税などの連邦法違反に問われ、すべての罪状を認めていた。いずれの事件でも、12月に量刑の言い渡しが予定されていた。 バイデン氏は1日の声明で、ハンター氏への訴追が進むなかでも、司法に介入しないとの立場を貫いてきたことを改めて説明。そのうえで「事件の事実を見たら、ハンターが狙われたのは私の息子だからだとの結論に至る」と指摘し、共和党議員ら政敵が、自分を攻撃するために事件を利用したとの見解を示した。
朝日新聞社