<飛躍!今年こそ・健大高崎2021センバツ>第2部/3 マネジャー・角田ももかさん、水出夏萌さん /群馬
◇選手と同じ気持ちで 勝利に向けて支えたい チームが関東大会連覇などの快進撃を続けられたのは、縁の下で支えるマネジャーの存在があってこそだ。角田ももかさん(2年)と、水出夏萌(なつめ)さん(同)は、約束だった「センバツ出場」を果たしてくれた選手たちが夢舞台で存分に力を発揮できるよう、一層のサポートに励んでいる。 角田さんは、前橋育英が甲子園で活躍する様子をテレビで見て「あの舞台に立ちたい」と野球部のマネジャーを目指した。だが、同校は女子マネジャーを募集しておらず、女子も受け入れている健大高崎を選んだという。 水出さんには、母親と青柳博文監督が幼なじみという縁がある。小6の時に観戦した試合で健大高崎が負けた際に悔し泣きをしたほど、入学前からチームのファンだった。 マネジャーになるべくしてなった2人は、1年生のマネジャーとベンチ拭きや倉庫の掃除、選手の飲み物作りなどの雑用をこなしているが、「選手が一番だし、勝利に向けて少しでも支えたい」と、苦労を感じたことは一度もない。新型コロナウイルスの感染防止対策で、現在は飲み物作りができず、2人は「ちょっと寂しいよね」と顔を合わせた。 献身的なサポートが続けられるのは、選手たちの血のにじむような努力を見てきたからだ。「努力家で遅くまで自主練習をするんです」。入学当初、周囲から「力のない代」と評価されていたことは知っていた。だからこそ、彼女たちも「今に見てろよ」との思いで、選手を支えてきた。 2人の思いに応えるように、ナインはめきめきと力をつけていった。昨秋の関東大会前のミーティングでは、選手から「甲子園に連れていく」と約束された。連覇が決まった瞬間、うれしさのあまり2人で抱き合った。 センバツに向け、今は選手に渡すお守り代わりのマスコットを作っている。色は個性豊かな選手たちを表す「レインボー」。角田さんは「人をひきつける野球を見せてほしい。選手と同じ気持ちで、同じ温度で、同じ舞台に立つことを楽しみにしている」と話し、水出さんは「コロナ禍の中で大会が開催されることに感謝し、日本一を達成したい」と意気込んでいる。【川地隆史】=つづく