全国で1店舗もない自治体が拡大中…失われつつある“書店”、活路はあるのか?
TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、減少する“書店”について取り上げました。 ◆書店が1店舗もない自治体が増加中 今年3月の時点で、全国で書店が1店舗もない自治体が全体の27.7%に上ったことが出版文化産業振興財団の調査で分かりました。一昨年の前回調査での26.2%から拡大しています。人口減少やインターネット通販の普及を背景に書店の数自体が減り、地域の書店が担う文化発信機能の弱体化が懸念される状況が浮かび上がりました。 財団の松木専務理事は書店の経営環境について、「売り上げが上がらないのに人件費など経費は上昇して厳しさが増している」と指摘しています。政府は書店の支援に乗り出していますが、特効薬は見当たらず、地道な取り組みが求められそうです。 ◆書店減少で文化発信機能の弱体化が懸念 ドイツ公共放送プロデューサーのマライ・メントラインさんは、書店が好きなものの活用しているかといえばそうではなく、「最近は電子書籍にシフトしている」と告白。なぜなら、自宅には本を置くスペースがないから。ただ、書店の素晴らしさも理解しているとし、減少傾向にあることを嘆きます。 タレントのREINAさんによると、アメリカでも書店は少なくなっているそう。では、どう維持していけばいいのか。REINAさんは、「新しい価値をどう提供できるかといった話になってくると思う。例えば、最近だとカフェやレストラン、バー、ヘアサロンと提携したり。そうした進化した形の書店があってもいいと思う」と新しい形の書店に活路を見出します。 一方、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、書店減少の要因のひとつとして、「都市開発やデベロッパーの責任も大きい」と指摘。「例えば、赤坂では再開発で(一般の)書店が本当になくなってしまった。都市開発やデベロッパーが介入する際には、本屋などの文化施設のようなものを必ず入れるなど、ある程度ルール化していってもいいと思う」と提案します。 キャスターの豊崎由里絵は、書店が大好きではありながらも、子どもがいることもあって通っているのはもっぱら図書館で、図書館にないものはインターネットで購入しているといいます。とはいえ、やはり書店は必要で、「子どもが小さいときは(子どもが)本を破いてしまうので、(図書館で借りるのではなく)買っていた。やはり書店はなくなると困るので、(書店に)行かないといけないなと思った」と反省していました。