「電波少年」坂本ちゃん ブレーク後に数千万円渡しても催促してきた家族と絶縁…「悪魔と思われてもいい」
――家族と絶縁というのは大きな決断だったと思います。 「血のつながった家族は一生の家族だよ」と言われることがあるんですけど、幸せな家族だから言えるんです。私も母親のことは好きです。男はマザコンですから。甘えるのが下手だったから、自分が当時の親の年齢を超えて「扱いが難しい子供だったかな」とは感じるけど、幼少のときは家族仲は悪くない。むしろ良かったと思います。でも、私が大金を稼いで関係がおかしくなって。血がつながっていることは関係が深くて素敵なことだと思いますが、怖いとなってしまうこともあるんです。下手に会うと情が移るし、それではお互いが幸せにはなれない。私は家族を捨てたという認識を持っています。批判の声は受け入れていますし、「悪魔」と思われても仕方ない。でも、これからも家族と会うつもりはないです。 ■ケイコ先生と今でも連絡を取る ――救いになった存在はいらっしゃいますか? ケイコ先生に相談したとき、「私たちは家族のようなものだよ」って言ってもらったときは本当にうれしくて。ケイコ先生ってすごいんですよ。受験勉強のときに「東大無理だよ」って弱音を吐いても、「絶対大丈夫だから!」って背中を押してくれる。エネルギッシュな人で今でも連絡を取るのですが、「大丈夫だよ」っていう言葉に何度も救われました。私は交友関係が少ないんですけど、同じ事務所の岡元あつこさんも親身になってくれて。本当の家族とは疎遠になってしまいましたけど、血がつながらなくても家族のように大事にしてくれる方たちには本当に感謝しています。温かい雰囲気の所属事務所(浅井企画)も大好きです。こうやって取材のときにジュースを用意してくれますし(笑)。
――ご家族との関係をメディアで話すことは、勇気が必要だったと思います。 もう過去のことなので、「家族を助けられてよかった」と考えています。稼いですぐに家族に大金を渡したので、お金がなくなって貧乏のままですし、贅沢三昧な生活をした経験がない。そういった意味では金銭感覚で勘違いしていないし、不幸だとは全然思っていません。私は同性愛者なんですけど、物心ついたころからどこか腹をくくっているんですよね。子供のころから物事を俯瞰して見ていましたし、普通の結婚を望んでいなかった。「こうしなきゃいけない」という固定観念がなくて、私に限らずいろいろな生き方があると思っていて。世の中は幸せな家族ばかりではないと思うんです。そういう境遇の方が私の経験談を見聞きすることで、気持ちが楽になってくれたりして。少しでもお役に立てればうれしいですね。 ※【後編】<「電波少年」坂本ちゃん 大病の手術後に5カ月で19キロ減量「歩くことで人生が変わった」>に続く。 (平尾類) 坂本ちゃん(本名・坂本恭章〈さかもと・やすあき〉)/1966年4月2日生まれ。山梨県出身。日大明誠高から日大に内部進学できず、役者を目指して上京。99年にお笑いコンビ「アルカリ三世」を結成する。2000年に「進ぬ!電波少年」の企画「電波少年的東大一直線」で大ブレーク。東大合格はかなわなかったが、日大文理学部に合格した。その後は「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」にレギュラー出演するなど多数のバラエティー番組で引っ張りだこに。現在は芸能活動の傍ら、新宿ゴールデン街のバーで店番。昨年はYouTubeなどでの配信ドラマ「戦国サウナ」に今川義元役で出演した。
平尾類