「T+1」移行、最初の関門を無事通過-フェイル率に有意な変化なし
(ブルームバーグ): 米株式市場で決済日を約定日(トレードデート)の翌営業日とする「T+1」システムへの切り替えは、最初の関門を無事通過した。29日のフェイル(証券決済未了)率に有意な変化はなかった。
米国証券保管振替機構(DTCC)のデータによれば、取引清算処理システム(CNS)に記録された29日のフェイル率は1.90%。T+1が導入される前の先週は、1日平均が2.09%だった。
DTCCのデータによれば、CNS外で処理されたマッチドトレードのフェイル率は2.92%。先週の1日平均だった3.35%を下回った。
米市場の中枢を担いほぼ全ての取引を処理するDTCCが、T+1移行に伴う影響を初めて数値化した格好。新しい決済サイクルに順応するまで、フェイルが増加するというのが業界で広く共有されていた不安だった。
ウォール街、1世紀ぶりにT+1株取引に復帰-完了までの時間が半減
29日のデータには先週金曜日の取引も含まれているため、今回の数字はT+1の影響を見極める上で完璧ではない。それでも「二重決済」に伴う出来高増加は、システムへの負荷を増大すると懸念されていた。
原題:Wall Street Passes Early T+1 Test With No Rise in Failed Trades(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Greg Ritchie