【NFL】有望な選手層の拡大を目的とするIPPの国際地域別コンバインシリーズ
IPPプログラムへの招待に制限はないものの、運営側はドラフトで指名されるか、NFLのロースターに入る可能性がある選手のみを対象にすることを目指している。今回拡大されたコンバインシリーズにより、選手の母集団はさらに多くなるだろう。
アフリカ、中南米、オーストラリア/ニュージーランドの選手を対象とした地域別コンバインの日程は後日発表される。しかし、シリーズ最初のコンバインは、16歳から19歳までの選手を対象としたNFL UKアカデミーの本拠地である英国のラフバラー大学で10月にすでに開催された。今年の英国地域別コンバインでは、15人の選手の中から有望な選手が数名見られた。選手たちは11カ国から参加し、その中には世界トップクラスの陸上選手や、米国でのカレッジフットボール経験者も含まれている。参加者の1人であるロジェ・ストーナは2024年夏季オリンピックの円盤投げでオリンピック記録を樹立し、金メダルを獲得。ジャマイカ人として初めてオリンピックの投てき競技で金メダルを獲得した選手となった。
拡大されたコンバインシリーズは、NFLを成長させるための新しいアプローチの1つに過ぎない。今年9月、NFLはA.B.パターソン大学と提携し、NFL UKアカデミーと同様の役割を果たすNFLアカデミーをオーストラリアのゴールドコーストに開校。このアカデミーは、アジア太平洋地域の選手(12歳から18歳が応募可能)がフットボールのスキルを向上させ、大学の奨学金を獲得する可能性を広げることを目的としている。なお、2019年以降、NFL UKアカデミーの卒業生40人以上が米国でカレッジフットボールの奨学金を獲得し、2024年シーズンには30人以上がカレッジフットボールに参加、19人がディビジョンIのカレッジプログラムでプレーした。オーストラリアのアカデミーは、2028年ロサンゼルスオリンピックでのフラッグフットボール競技への出場を目指す選手の育成も目的としている。このオリンピックはアメリカンフットボールの世界的な普及における新たな重要な瞬間となるだろう。
今季における素晴らしい一連のインターナショナルゲームが終わりを迎えようとしている中、国際的な選手の発掘と育成は引き続き進められており、世界中の選手の参加を促す仕組みの進化は、今後のさらなる発展を予感させるものとなっている。