レコードは、その部屋の空気をかき回す─KIRINJI・堀込高樹が魅力を語る
ストリングスの音色が美しい1曲
堀込がこの日セレクトした1枚は、Milt Jackson『Sunflower』。1973年リリースのアルバムだ。 堀込:これは実家にあったアルバムで、間違いなく父が買ったものです。CTIという、ジャズだけどどちらかというとイージーリスニング的な手触りのあるレーベルで、当時の有能なジャズメンが演奏しています。アレンジはドン・セベスキーという、CTIのハウスアレンジャーが担当しています。ジャズのコンボとすごく流麗なストリングスが絡んでいるアルバムで、中学生ぐらいのときに、家で受験勉強をしないで聴いていました(笑)。このアルバムは僕が加入しているサブスクリプションサービスには入っていなくて、そういうこともあって今でもよく聴きます。 堀込は、『Sunflower』のなかから『What Are You Doing the Rest of Your Life?』を選曲した。 堀込:バイブラフォンとストリングスの組み合わせがすごく気持ちよいのと、たぶんこのアルバムの中でいちばんストリングスがフィーチャーされているのかなという印象の曲です。あまり朝向きではないかもしれないですが、とてもきれいな曲です。 コメントを受けて渡辺は「朝もいいんじゃないですか」と返答し、同楽曲を解説した。 渡辺:Milt Jacksonさんは、鉄琴の一種であるバイブラフォンでこの流麗なメロディを弾いている。そして、MJQ(モダンジャズカルテット)がMilt Jacksonさんの有名なグループで、その作品も素晴らしいので、アナログでゆっくり聴くのが似合う音楽の1つかもしれませんね。 KIRINJIの最新情報は、公式サイトまで。 『RADIO DONUTS』のワンコーナー「TOYOKASEI ANALOG TOK」では、レコードを愛するセレクターを迎え、アナログで聴きたい名盤を紹介してもらう。オンエアは毎週土曜日の8時30分頃から。