パンク好きにはたまらない衝撃の1冊! 「セックスピストルズ」ジョン・ライドン筆頭に興味深過ぎるインタビュー集「from PUNK to POST-PUNK」
【こだわりの極意】 こんなにおもしれえ本があったのか! 中学でどっぷりパンクにハマった僕にとって、この本は衝撃だ。それが「from PUNK to POST―PUNK」(シンコー・ミュージック)。いわゆるインタビュー集ですが、僕らがドキドキワクワクして読んでた「CROSSBEAT」の再編集版。とにかく興味深い。掲載写真もむちゃくちゃ貴重なショットばかりで、トップを飾るジョン・ライドンからたまらない! 僕の年代に限らず、10~20代にとっても「セックスピストルズ」は特別なバンド。そのヴォーカルのジョニー・ロットン(ジョン・ライドンに改名)ほどロンドンパンクのシンボル的なアーティストはいないだろう。当時はむちゃくちゃ攻撃的なパフォーマンスや言動、それに「ロキシー・ミュージック」のブライアン・フェリー、はたまた日本のあがた森魚さんに勝るとも劣らない独特なヴォーカルスタイル。さぞとがりまくってると思いきや、初めて行ったコンサートがクリフ・リチャードで、アリス・クーパーやゲイリー・グリッターが好きだったとか、揚げ句の果てに「プレスが俺たちにパンクのレッテルを貼ったのは残念だった」とか言い放ってホントに調子狂っちゃう(汗)。もちろん「ホークウインド」「キャプテン・ビーフハート」などエッジの効いたバンドは好きだとも。ジャズのマイルス・デイヴィスからアイルランドの民族音楽など世界の伝統的なフォークソング、クラシックではストラヴィンスキーに至るまで、ありとあらゆる音楽に精通してる。 パンクに生まれ、散った後、ジャマイカでレゲエのみんなと交流を深めて「PIL」を結成しただけでなく、音楽好きな僕たちと同じオタクだったんだ(個人の感想です)。 ヘヴィメタルだって大好きなんだよ! って、先生、勘弁してくださいよ。あの頃、パンクスの仲間に隠れてヘヴィメタル聴いてたのに~。「ランDMC」の「ウォーク・ディス・ウェイ」より先にアフリカ・バンバータと組んでロックとラップを融合させただの、興味深すぎる! 「ニューヨーク・ドールズ」のギタリスト、シルヴェイン・シルヴェインのインタビューに至っては、マルコム・マクラーレンからピストルズに誘われただの、リハーサルを観にきてくれと言われたけど忙しくて行かなかっただの、面白すぎる! ジョー・ストラマーに「ラモーンズ」、「ザ・ダムド」に「ワイアー」、「ザ・ポップグループ」…。しばらくこの本から離れられない!
■髙嶋政宏(たかしま・まさひろ) 俳優。1965年10月29日生まれ。東京都出身。87年、俳優デビュー。Netflix「トークサバイバー2」に大統領役で出演。映画では「KINGDOM 大将軍の帰還」、「もしも徳川家康が総理大臣になったら」が公開中。ドラマ「おいち不思議がたり」がNHKBS/P4K BS時代劇で放送中。