K-1復帰の石井和義氏が描く、新たな世界戦略「K-1ブランドを最大限に活用」メジャースポーツに並ぶ存在へ
K-1創始者であり初代プロデューサーで、先月から現体制のK-1に「アドバイザー」として復帰することになった石井和義氏が、3月20日に開催の『K-1 WORLD MAX』(国立代々木競技場第一体育館)や今後のK-1の世界進出に向けたビジョンについて、メディアに向けた取材会で大いに語った。 【動画】【K-1】石井館長、武尊のK-1復帰を懇願!? 那須川天心にも大いに期待「ボクシングでも世界とる」 石井氏は1993年にK-1を設立。アンディ・フグやマイク・ベルナルド、ピーター・アーツらヘビー級のキックボクサーによるトーナメントを開催し、フジテレビで放送されると日本中に“格闘技ブーム”が巻き起こった。2002年にはPRIDEとの共催で旧・国立競技場で初めての格闘技イベント『Dynamite!!』を開催し、9万人以上の観客を集めるほどの成功を収めた。 しかし、同年に法人税法違反(脱税)の容疑で逮捕され、最高裁まで争ったが有罪が確定。刑期を終えてからは「プロ格闘技には関わらない」と明言し、陰ながら格闘技界を見守ってきた。その間も「何度もお誘いがあったがお断りしてきた」と振り返ったが、現在のK-1のオーナーが世界中に散らばっていた「K-1」の商標を時間をかけて全て買い戻したことで、「やっとK-1が改めて世界で展開できるようになった。そのタイミングでオーナーに声をかけてもらったので、恩返しのつもりでアドバイザーをやらせていただくことになりました」と経緯を説明した。 自身の立場は「ファンとK-1の中間の人という認識を持ってもらいたい」とする。期待される役割は「世界中の格闘技関係者なら誰もが知ってる『K-1』というブランド力を最大限の強みにして、K-1をサッカーや野球と並ぶくらいのメジャースポーツにするために、世界に発信していく」ことだ。実際、アドバイザー就任が発表された直後から、世界中の関係者からファイターの売り込みが寄せられているという。 世界の格闘技ビジネスでは、アメリカのUFCが圧倒的な規模で一人勝ち状態。石井氏は「UFCは別として」と前置きし、「ONEも頑張っているけどアジアでしか知られていないし、RIZINやRISEも頑張ってほしいけど世界で知ってる人はいない。僕は彼らをライバルとは思っていなくて、意識するのは野球やサッカー、バスケのBリーグなどほかのスポーツのプロリーグです。格闘技は協力しあってそういうライバルと戦っていかなくてはいけない」と団結も呼びかけた。 目指すビジネス規模は「UFCが1兆円と聞いたので、その1/3の3000億円から5000億円くらい。1000億くらいはすぐにいくでしょう」と見据える。さらに「こういうことを言うと『石井はホラを吹いてる』って思う人もいるかもだけど、人生は限られているんだから生きているうちに好きなことを言わないと(笑)。ファイターにお金を還元しないといい選手が集まってこないし、お金は使わないと意味がない」と往年の“館長節”も飛び出した。 K-1アドバイザー就任まではアマチュアの普及活動に尽力してきた石井氏。「毎週どこかで空手やキックの試合をやっていて、小学6年生で“300戦無敗”くらいの選手もたくさんいる。そういった選手が集まって未来の武尊選手や(那須川)天心選手みたいになって、K-1を目指す子供が世界中で増えてくれれば」と壮大なビジョンを描いた。