夫の年収は「800万円」です。専業主婦の年金は少ないと聞きますが、これなら「老後は大丈夫」ですよね? いくら受け取れるでしょうか?
将来、年金だけで暮らしていけるのか不安を抱く人は少なくないのでしょう。特に専業主婦(夫)のように自分の年金が少ない場合、そのような不安は一層強まるかもしれません。ただ、配偶者の年収が多いからといって安心はできません。将来年金生活で困ることがないように事前にできることがないかを探っていきましょう。 本記事の年金計算方法は簡略化していますので、実際の金額とは異なります。自身の詳細な年金情報については、年金事務所などで確認してください。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
専業主婦の夫の年収が800万円なら夫婦の年金は約25万円
専業主婦や夫の社会保険の扶養に入っているパート主婦の場合、国民年金第3号被保険者となり、もらえる年金は老齢基礎年金(国民年金)のみです。2024年度の国民年金の満額は月額6万8000円(年間81万6000円)となりました。 それでは年収800万円の夫は年金をいくらもらえるでしょうか。厚生年金額は、働いている期間の平均報酬によって変わります。現役時代にずっと年収800万円となることはないと思いますので、500万円、600万円、700万円、800万円と10年間ごとに増加したと仮定します。この場合、平均年収は650万円です。 厚生年金額は以下のように計算しますので、平均650万円で40年間(480ヶ月)働いた場合の厚生年金額はおよそ143万円(月額約12万円)となります。 【厚生年金額=平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者月数】 厚生年金額=650万円÷12×5.481÷1000×480≒143万円 専業主婦と夫の年収が800万円(平均年収650万円)の場合、毎月25万円程度の年金が受給できる見込みとなります。 <夫婦の年金受給額> 夫の国民年金:81万6000円 夫の厚生年金:143万円 妻の国民年金:81万6000円 合計:306万円(月額約25万5000円)
毎月25万円の年金でも過信は禁物
総務省統計局が公表している2022年(令和4年)家計調査年報によると、図表1のように65歳以上の夫婦のみ世帯は、実収入およそ25万円に対して毎月約2万円の不足が生じています。 図表1