ウクライナ侵攻2年・ナワリヌイ氏の疑問死に関連　約500の制裁・93の輸出規制対象を追加　韓国のテソン国際貿易…「代表はパキスタン人」

　米国政府が、ロシアのウクライナ全面侵攻後に最大規模となる制裁を発表した。韓国所在の企業1社も制裁リストに加えられたが、法人代表は韓国人ではないことが分かった。 　米国の財務省と国務省は23日（現地時間）、ロシアに抑圧と人権侵害、ウクライナ攻撃に対する代価を支払わせるため、500を超える対象を制裁すると発表した。今回の制裁は、ロシアのウクライナ侵攻2年（24日）と16日にロシアの野党要人のアレクセイ・ナワリヌイ氏の獄中での疑問死をきっかけに実施された。米国のジョー・バイデン大統領は声明で「今回の制裁は、ナワリヌイ氏の投獄に関与した個人はもちろん、ロシアの金融部門、防衛産業基地、調達ネットワーク、制裁回避者などを対象とするもの」だとしたうえで、「プーチン大統領の海外侵略と国内弾圧に対して、はるかに大きな代価を支払わせるようにするだろう」と明言した。 　米財務省のウォーリー・アデエモ副長官は、CNNの電話インタビューで「金曜日の制裁パッケージは、ロシアの戦争に資材や重要な供給品を提供する第三国の企業を制裁するものであり、米国が関心を強めていることを示している」と述べた。さらに「我々は第三国の企業からそのような商品を多数購入するロシア経済の重要なノードを追跡している」とし「我々の戦略によって、シアは必要な兵器を作るためにサプライチェーンを使うことがますます困難になるだろう」と述べた。 　米国政府は、北朝鮮製の弾薬と兵器を運送する役割をしたロシア企業、ロシアがイラン製のドローンを調達・製造することに関与した企業などを制裁した。米国政府がロシアの「主な帳簿」だとした「ミール」の決済システム運営企業や銀行などの金融企業をはじめ、ナワリヌイ氏の死亡に関与したロシア当局者3人なども制裁対象に加えられた。中国、セルビア、アラブ首長国連邦（UAE）、リヒテンシュタイン、ドイツ、アイルランド、エストニアなど11カ国に所在する26の企業と個人も制裁対象に加えられた。財務省は「今回の制裁は、ロシアのウクライナ全面侵攻後で最大規模の制裁」だと強調した。財務省はロシアのウクライナ侵攻をめぐり、この2年間で4000以上の企業と個人を制裁した。 　これとは別に、米商務省の産業安全保障局（BIS）もこの日、米国製の工作機械などをBISの許可なしで取得してロシアの産業部門を支援したという理由で、ロシア（63社）、中国（1社）、インド（1社）、キルギス（1社）、韓国（1社）、トルコ（16社）、アラブ首長国連邦（2社）など、7カ国に所在する93社の企業を輸出規制リストに追加した。韓国所在のテソン国際貿易（Daesung International Trade）が輸出規制対象に加えられたが、聯合ニュースは韓国政府関係者の話を引用し、「テソン国際貿易は韓国に登録された法人だが、代表はパキスタン人」だと報道した。 　CNNは「米国の官僚たちは、ナワリヌイ氏の死亡に先立ち、ロシアに対する新たな制裁パッケージを準備中だったが、野党指導者（ナワリヌイ氏）の死亡後にこれを補完した」とし、「米国の官僚たちは新たなパッケージについて、欧州のパートナーたちと協力した」と報じた。 　これを受け、欧州連合（EU）も23日、新たに設けられた13回目の対ロシア制裁を施行した。EUが掲載した官報によると、北朝鮮のカン・スンナム国防相と北朝鮮のミサイル総局が制裁リストに追加された。EUは官報で、カン国防相が「北朝鮮の不法な弾道ミサイル計画の開発を指揮し、北朝鮮とロシアの軍事協力に直接関与したことで、結果的にロシアに弾薬を提供する結果を招いた」と明らかにした。ロシア・ウクライナ戦争に関連する対ロシア制裁の名簿に北朝鮮が加えられたのは今回が初めて。 チョン・ジョンユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )