「トリガー条項」凍結解除含むガソリン減税、自民・公明・国民民主3党が検討へ
自民、公明、国民民主の3党は20日、ガソリン税を下げる「トリガー条項」の凍結解除を含むガソリン減税についても、検討を進めることで合意した。実現すればガソリン価格の低下につながる可能性があるが、国と地方は巨額の税収減に直面する。ガソリンスタンドなどの事業者や消費者に混乱を招く恐れもあり、課題は多い。
ガソリンには、1リットルあたり約29円の「本則税率」と、暫定分として上乗せしている約25円の計約54円のガソリン税が課され、販売価格に含まれている。
トリガー条項は、ガソリン価格が3か月連続で160円を超えると発動し、暫定分をなくして価格を下げる仕組みだ。逆に、3か月連続で130円を下回ると解除され、暫定分が復活して価格は上がる。2010年に導入されたが、大幅な税収減となるため、11年の東日本大震災の際、復興財源確保などのため凍結された。これまで発動されたことは一度もない。
3党は22年にも凍結解除を検討した。発動と解除で急激な価格変動が生じ、発動前に買い控え、解除前は駆け込み購入で消費者への混乱を招く恐れがあることなどが指摘された。流通や販売の現場への負担も大きいとして、合意に至らなかった。
今回、国民民主は凍結解除だけでなく、暫定分自体の廃止も求めている。廃止されれば、国と地方を合わせて1・5兆円程度の減収となる見通しで、自動車関係の税収の4分の1に相当する規模だ。