<甲子園交流試合・2020センバツ32校>加藤学園、最高の笑顔 独自大会、初戦敗退ばね
「甲子園」を初めて経験するチーム同士の対戦となった2020年甲子園高校野球交流試合第3日の第2試合は、加藤学園(静岡)が鹿児島城西を3―1で降した。勝利を大きく引き寄せたのは、主軸・杉山尊選手(3年)が放った2点ランニング本塁打。交流試合初となる会心の一打は晴れ渡った青空に最高の笑顔を輝かせた。 【真夏の熱闘】交流試合の写真特集はこちら 春夏通じて初の甲子園出場をつかみ取った加藤学園。8月のセンバツ交流試合への出場が決まり、「甲子園に行くチーム」として優勝を目指した県独自大会の初戦。強豪校・飛龍に接戦の末敗れ、自信は砕かれた。「これで交流試合に出てもいいんだろうか」。この試合で最後の打者となったのが杉山選手だった。あれから1カ月。チームとしても個人としても気持ちを切り替えることを意識して、交流試合に臨んだ。 1―0からリードを広げたい八回裏2死二塁。2球目の直球をとらえると、打球は右中間へ大きくアーチを描いた。「三塁まで行ける」と50メートル6秒1の俊足で塁を蹴ると、腕を大きく回す三塁コーチと目が合った。すぐに目標を「本塁」に切り替えて、頭から本塁へ滑り込んだ。 勝利して校歌を歌った時は甲子園に圧倒され、喜びで頭が真っ白になった。「最後に甲子園でプレーさせてもらって高校生最後の試合をこういう形で終えられて良かった」と笑顔を見せた。【隈元悠太、深野麟之介】