「受験生の聖地」ゴトゴト石 動かなくなっても住民が続ける新年準備
「崖っぷちから落ちそうなのに、落ちない」と評判になり、受験祈願のパワースポットになっていた高知市のゴトゴト石に22日、新しいしめ縄が巻かれた。石を大切にしてきた土佐山地区の住民が、約50年前から続ける年末の恒例行事だ。 【写真】動かなくなっているのが見つかった直後の「ゴトゴト石」。石の上部に荷締めベルトが巻かれ、周囲には丸太や工具、手袋などが放置されていた=2022年11月28日、高知市土佐山桑尾 石は山中にあり推定6トン。かつては人が手で押せばゴトゴトと揺れ動き、起き上がりこぼしのように戻っていた。2022年11月、工具で石の向きが変えられ、動かなくなる事件が起きた。今年10月までに大学生7人が器物損壊罪で略式起訴され、捜査は終わった。 22日朝、住民9人が崖のそばの広場に集まった。たき火で暖を取りながら昼までかけて、わらで縄を編み、長さ6メートルほどにしてゴトゴト石にかけた。「石を元通り動くようにしたいが、費用などの面で足踏みしている」と住民の1人はつぶやいた。 石が動かなくなった今も観光で訪れる人はおり、石の前の祠(ほこら)にあるさい銭箱には100枚ほどの小銭が入っていた。かつての半分ほどだという。(蜷川大介)
朝日新聞社