「サマソニ」が「アイドル祭り」に…音楽フェスで「洋楽離れ」が深刻、伝説の歌姫登場も目立った空席
聴かれなくなった洋楽
一方、この時間帯に多くの観客が向かっていたのは新しい学校のリーダーズやK-POPガールズグループのBABYMONSTERとIVE、そしてBE:FIRSTらのステージです。全部回りましたが、どれも2万人の観客で超満員。特に幕張メッセ内のPACIFIC STAGEの大トリを務めたIVEは、一目みようとする観客が詰めかけ入場規制がかかるほどの盛り上がりでした。今年はNewJeansが出演した昨年以上にJ-POPやK-POP系アイドルの出演者が人気を集めていたように感じました」(前出の音楽ライター) 来年2月に初の東京ドーム公演を開催するCreepy Nutsの人気度がひときわ高かったのは頷けるが、洋楽系よりも日韓のヒップホップユニットやアイドルグループに関心を持つ来場者が多かったのはどういうわけか。そのヒントとなるのが5月に発表されたビルボードのレポート「洋楽が聴かれなくなった? “JAPAN Hot 100”チャートイン楽曲の国別構成」だ(※1)。 音楽業界をザワつかせた同レポートでは、2017年以降の楽曲の国別構成を分析。2017年と2023年を総合ポイントで比較すると、アメリカは8.11%から0.94%、イギリスは2.89%から0.61%と激減。代わって日本が77.46%から87.5%、韓国(K-POP)が7.13%から10.5%へと大きく伸びている。今回のサマソニで起きていたJ-POP、K-POP現象もこのデータを裏付けるかっこうとなったようだ。 「歴史的な円安に苦しめられたため、著名な海外アーティストのギャラ交渉が厳しかったという台所事情もあるでしょうが、世代間の音楽嗜好に断絶があるのも大きいです。クリスティーナ・アギレラもブリング・ミー・ザ・ホライズン、そして昨年ヘッドライナーとして出演したイギリスを代表するロックバンド、ブラー(Blur)のステージも観客席は中高年ファンが目立ちました。 それに比べ、新しい学校のリーダーズやBABYMONSTER、IVE、BE:FIRSTは若者が圧倒的多数。この世代はSNSへの依存性が高いですから普段からアイドルのチャレンジダンスやYouTube動画、ファンクラブ向け動画、サバイバルオーディション番組などに親しんで、推し活に参入した層です。もはや洋楽アーティストには太刀打ちできない領域ですよ」(同)