街頭に立ち熱い思いを語る立候補予定者＝10日、八戸市

　衆院解散から一夜明けた10日、青森県3選挙区の立候補予定者は街頭や会合でマイクを握り舌戦を本格化させた。自民党派閥の裏金事件を受け、政治とカネの問題に厳しい目が向けられる中、15日公示、27日投開票の総選挙が迫る。自民党の前職3人は危機感をにじませながら政策を訴え野党側は政権批判に熱を上げた。 ▼1区 　自民党前職・津島淳氏（57）は青森市内のホテルで党職域支部の会議に出席。「限られた時間で成果を出すには皆さんの力が不可欠」と支援を呼びかけ、ガンバロー三唱で結束を図った。会議が終わると、あいさつ回りのため足早に会場を後にした。 　共産党の新人・斎藤美緒氏（44）は青森市で、比例東北ブロックに出馬する同党の前職・高橋千鶴子氏と街頭演説。斎藤氏は石破茂首相が日米同盟強化に積極的な姿勢であることに対し「軍事一辺倒では国を守れない。地域の平和を訴える」と語気を強めた。 　立憲民主党元職の升田世喜男氏（67）は早朝に青森市で街頭演説を行った後、平内町で政見放送の撮影に臨んだ。これまでは選挙準備にも時間を費やしていたが「公示日まであとわずか。今後はあいさつ回りや会合への参加、遊説など要の活動に専念したい」。 ▼2区 　共産党新人・久保将氏（70）は出馬表明以来、八戸市内の車通りの多い交差点で街頭演説をこなしている。この日もマイクを握り、中小企業や個人事業主の負担になるインボイス制度の廃止、化石燃料や原子力から再生可能エネルギーへの転換を訴えた。 　国民民主党新人・金濱亨氏（36）は八戸市内5カ所で街頭。同党が掲げる体系的な減税政策などに触れ「生活者目線で、ふるさとの未来、国の未来のために必要な政策を正直に誠実に進める。言うだけでなく行動する背中を見せたい」と力説した。 　無所属新人で、立民の議員らが支援する三戸町長の松尾和彦氏（61）はこの日、公務がなく、八戸市や上北郡内を中心に支持者らへのあいさつ回りを行った。「これまでの政治経験を生かし、本県発展に向けた政策を訴えていきたい」と話した。 　自民党前職・神田潤一氏（54）は、朝に東京から八戸市入り。街頭には立たず、同市内の企業回りに時間を割いて支援を求めた。事務所では秘書らが頻繁に出入りし、遊説日程の調整を行うなど、選挙戦に向けて慌ただしく準備を進めていた。 ▼3区 　立憲民主党新人・岡田華子氏（44）は、弘前市のスーパー前などに立ち、「自民党はこれまで地方創生や農業振興を唱えてきたが、結果が出ず、地方の生活は苦しくなっている。現政権は数日で言うことがコロコロ変わり信頼できない」と厳しく批判した。 　朝から県選挙管理委員会で立候補へ向けた手続きをした日本維新の会新人・長坂淳也氏（48）。終了後には弘前市周辺を街宣カーで回り、街頭演説を行った。「裏金問題など有権者の怒りを代弁して、津軽の人に訴えかけていく」と取材に答えた。 　自民党前職・木村次郎氏（56）は同党の滝沢求参院議員とともに黒石市の沿道に立った。裏金事件について頭を下げ、地方創生や安全保障政策を主張。「非常に厳しく際どい情勢。不退転の決意で死力を尽くし、多くの有権者に心情を伝える」と力を込めた。 　無所属新人・其田寿一氏（38）は、関係先へのあいさつ回りをこなした。