「顔が良くて、打ち損ないが少ない。それこそが、クラブに求められる必要十分条件だ」――中部銀次郎|ゴルフは名言でうまくなる
日本アマで6度の優勝、ゴルフに対するストイックな姿勢や考え方が、様々な人によって書物を通じ世に送り出されたことから、もはや神格化された感のある中部銀次郎さん。しかし、道具であるクラブに関する考え方は極めて現実的なものだった。
中部銀次郎さんの現実的な名言の数々
「クラブは材質で飛ぶものではない」 メタルヘッドをチタンヘッドに替えたからといって、劇的に飛ぶようになるものではない。 「一般的なゴルファーがクラブに鉛を貼って調整するのには否定的だ」 鉛を貼ってどれほど感覚的に変化するかより、その日の体調による感覚の変化の方が大きい。 「飛距離が変わるとすればクラブの長さだけ」 シャフトを長くすれば確かに飛ぶようにはなるが、芯を外すことも曲がることも多くなる。 「クラブのスペックで最も影響が出るのはライ角度」 ライ角度だけは、その人の体格とスウィングによって適正なライ角度というものがある。ライ角度次第でショットは明らかに変わる。 「ミスショットの原因はクラブではなく自分」 ミスショットをクラブのせいにするのはお門違い。自分の技術的あるいは心理的なことが原因である場合がほとんど。 「クラブになじむには時間が掛かるものだ」 クラブを変えたら飛ぶようになったとしても、ドライバーはともかく、アイアンではその飛距離になじんでコントロールできるようになるまでには、結構な経験値を積まなければならない。それまでは、グリーンをオーバーしたりショートしたりで、かえってスコアを崩すものだ。 などなど、クラブに関する名言も多い。これらの名言は銀次郎さんのクラブ観である「人間にクラブを合わせるのではなく、クラブに人間を合わせる」という言葉に通じている。結局はここに尽きるのである。 そして、もうひとつ銀次郎さんの著作から見つけたのが、表題の「顔が良くて、打ち損ないが少ない。それこそが、クラブに求められる必要十分条件だ」という言葉だった。