年金暮らし・末期ガンの父の介護生活。母が発した衝撃の一言とは【年金一覧表つき】親の介護費用で「知っておけばよかった2つのこと」
【事前に知っておきたかったこと2】貯蓄額が減っていくと、親は不安で不安でたまらなくなる
聡子さんが事前に知っておきたかったことの2つめは、「介護・医療費がかさむようになり貯蓄額が減っていくと、親は不安で不安でたまらなくなる」ということ。 介護費用のトラブルと聞くと「平均よりもずっと低い貯蓄額しかなかったのでしょ!」と思われ、「自分の親には関係ないわ!」と思う方も多いでしょう。 しかし、今からご紹介するのは、聡子さんが実際に体験した、貯蓄額が平均額以上ある親との間で起こったトラブルです。 ●平均以上の貯蓄はあったのに……。ガンになって状況は一変 聡子さんの父は私立高校で新卒から定年まで教師をしており、定年退職後も65歳まで再雇用されて働いていました。 還暦を過ぎても月々いくらかは貯蓄に回す余裕のある生活をしており、退職金もまとまった金額が支給されたため、貯蓄額は平均を超える金額がありました。娘の聡子さんがが住宅を購入した際には、頭金を援助するほど、金銭的に余裕があったのだそう。 「そんな父がある日、ガンと診断されました。そして、3年間の自宅での闘病生活を経て、痛みが酷くなり緩和ケアが必要となった段階で、住宅型有料老人ホームでへ入所することになります。 住宅型有料老人ホームの費用は月に25万円ほどかかり、年金で賄うことは不可能です。そこで父は母と相談し、自分たちの貯蓄から足りない分を毎月支払うことになりました」と聡子さんは続けます。 こうした例は決して珍しくないケースでしょう。しかしこの後、予想していなかった展開が訪れるのです。
老人ホームの入所が近づいたある日、母が発した衝撃の一言とは!?
「しかし、住宅型有料老人ホームへの入所が長引くにつれ、母は貯蓄額が目に見えて目減りすることに不安を覚えたのです。 ●「援助した住宅購入資金を返して!!」 そしてある日、私に「あなたに渡した住宅購入資金を返してくれ!」と言ったのです。あまりに突然の親からのお金の要求に、私は正直びっくりしました。 「え!? そんなにお金がないの?」と聞くと、「今すぐ生活に困るわけではないが、貯蓄が目に見えて減っていくことが不安だ。父に先立たれたあとの自分の生活が不安で不安でたまらない。」と涙ながらに訴えたのだと、聡子さんは話してくれました。 「今まで真面目にコツコツ貯蓄をしてきて、資産は増える一方であった母にとって、介護費用として目に見えて貯蓄額が減っていくというのは相当な不安だったようです」と、当時を振り返りながら話してくれました。