【本文公開】「常識で考えろ!」…長谷川岳参院議員から”カスハラ”を受けたタクシー運転手の衝撃告白
「私が告発したことが会社にバレたら、クビになるかもしれません。でも、度重なる彼のハラスメント報道を見て、今後、私の同僚や同業者が被害を受けないためにも、あの日の出来事を公にしておいたほうが社会のためになると思ったのです」 【恋人同士にしか…】コロナ渦で濃厚接触不倫?長谷川議員と不動産会社OLの〝親密〟写真…! こう打ち明けるのは、都内のタクシー会社で運転手を務めるA氏である。A氏が語る「彼」とは、長谷川岳(がく)参院議員(53)のことだ。 長谷川氏は今年3月、歌手の吉幾三氏のYouTubeチャンネルの中で、飛行機内でCAに対し「非常に横柄」な態度をとっていたことを明かされ大炎上。 すると中央省庁や自治体の職員に「ブチ切れるよ」等の威圧的な言動を繰り返していたことが公になり、5月29日に参院地方創生・デジタル特別委員会の委員長を辞することとなった。 長谷川氏は国会で、「自分の行き過ぎた言動や対応を猛省しています」などと陳謝したが、筆者も約5年前にある地方空港幹部から「長谷川氏から威圧的な態度を受けた」と聞いたことがあるほど、彼のパワハラ・カスハラは有名だった。 冒頭のA氏も、長谷川氏の理不尽な仕打ちを受けた被害者だった。 「乗車するなり、すごい剣幕で罵倒され、とても驚きました……」 A氏の車に無線室から指令が入ったのは’19年9月のある日。お昼頃のことだった。車内の端末には、東京駅丸の内南口から200mほど離れた路上に迎えに行くようフラッグが立っていた。A氏は指示通り車を移動させたが、それらしき乗客の姿はない。 「車を降りて周囲を見回していると、無線室から私の携帯電話に『KITTEの前に行って』とメール連絡が入りました」 KITTEとは丸の内南口のそばにあった旧東京中央郵便局の跡地に建つ高層ビル「KITTE丸の内」のこと。A氏が慌てて向かうと、路上でグレーのスーツを着た男が仁王立ちしているのが見えた。長谷川氏だった。 なぜか汗だくになっていた彼はA氏の車に乗り込むと、いきなりこう怒鳴り散らした。 「常識で考えろ! 普通はロータリーかKITTE前だろうが!」 無線室の指示通り動いたA氏に落ち度はない。それでも立場上、平謝りするしかなかったA氏に対し、長谷川氏は再びこう凄んだ。 「これでお代取るのか?」 つまり、無賃乗車の要求である。A氏は、なんとか怒りを鎮めてもらおうと、「お代は結構です」と何度も頭を下げた。 A氏は、この日の出来事があまりにもショックだったため備忘録として日時まで詳細なメモに残していた。当時のメモを筆者に示しながら、こう振り返った。 「車を走らせると、今度はブティックの前で待機するよう言われました。スーツを2着購入したようで、後部座席の手すりに引っ掛けていた。機嫌は悪いままで、『急げ!』と言われ、今度は最終目的地の参議院議員会館に車を走らせました」 内堀通りを通過し、議員会館に向かう途中のこと。再び後部座席の長谷川氏が吠えた。 「国会の横を左折して議員会館に入ろうと思っていたら、『右車線!』と言われました。『左は混むから』という理由です。右車線は直進レーンで議員会館には行けなくなるのですが、指示通り車線変更すると、今度は交差点の手前で『左折!』と言われた。危険だと思いましたが、あまりの剣幕だったので従うしかなく、直進レーンから左折しました」 結局、長谷川氏は料金を支払ったというが、車内での言動はカスハラそのもの。ましてや交差点内での急な車線変更の要求は道路交通法30条(交差点などの手前の側端から30m以内の部分で、他の車両を追い越すために進路を変更したりするなどは禁止)や第35条などに抵触する恐れさえある。 タクシー運転手へのカスハラは事実か、長谷川氏の事務所に質問すると、以下のような回答があった。 「5年前のことであり、記憶も記録もなく確認することができず、ご回答することが困難です。弁護士と協議し、タクシー事業者への確認準備を進めています」 長谷川氏は「今年3月24日以降のパワハラ事案が指摘された場合は議員辞職も辞さない」と表明しているが、そもそも自分に議員バッジをつける資格があるのか、今一度考えてみてはどうか。 『FRIDAY』2024年6月21日号より 取材・文:甚野博則(ノンフィクションライター)
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