全日本大学野球選手権の注目野手。ドラフト上位指名が予想される『侍ジャパン』に選ばれたスラッガー
強肩を生かした三塁守備も魅力の1つで、青山学院大学のホットコーナーを守り続けてきた。また野球へ打ち込む姿勢についても評価が高く、チームのキャプテンを任されている。
1年春のリーグ戦で打率.371、4本塁打と衝撃的なデビューを飾り、先輩の井口資仁が記録した東都の通算本塁打記録(24本)の更新も期待されるほどだった。ただし、打撃は1年秋からは打率2割台、1割台のシーズンが続き、1年春がキャリアハイのまま「脱皮」を果たせていない。
再ブレイクの兆しを感じたのは、春季リーグ戦の大一番だった5月29日の中央大学戦。佐々木は「勝ったほうが優勝」という大一番で、4回に試合を決める通算12号の3ランを放った。昨年の選手権でも本塁打を放っている彼だが、今大会の快音に期待したい。
青山学院大学には2年生にも「プロ注」がいる。渡部海は180センチ・88キロの大型捕手で、智辯和歌山高校では2年に選抜大会優勝を経験。大学入学後も1年春から正捕手となり、4年生エース2人をリードして、チームを大学選手権優勝に導いた。強肩、卓越したリードに加えて「冷静さ」「コミュニケーション力」も彼の魅力だ。春のリーグ戦は打率こそ昨年の春・秋シーズンに比べて落ちたが、守備の要として欠かせない存在だ。
ドラフト戦線で西川、宗山に続くビッグネームが、渡部聖弥(大阪商業大学/関西六大学)。広陵高校では宗山と同期で、揃ってドラフト上位候補に名が挙がっている。
渡部は177センチ・87キロの右打者で、広角に打ち分ける中距離打者。送球、走力もプロで見劣りしない水準だ。1回生から大阪商業大学の中軸を任され、昨夏の日米大学野球も西川、佐々木とともに代表入りした。過去に5度経験した全国大会(大学選手権、明治神宮大会)では通算打率.476を記録している。
九州からドラフト戦線に名乗りを挙げるのが、浦田俊輔(九州産業大学/福岡六大学)だ。172センチ・67キロの左打者で3年秋、4年春のリーグ戦は打率4割超えを記録しているリードオフマン。最大の強みはスピードで、3年秋のリーグ戦は9試合で15盗塁を記録した。フットワークを生かした守備も強みで、大会後に平塚で開催される侍ジャパン大学代表選考合宿に佐々木、渡部らとともに選出されている。
文:大島和人
大島 和人