クリス・ウッドワード巡回コーチが語った大谷翔平 彼は「才能」だけでエリートなのではない!「私がこれまで見てきた選手の中で最も準備をする選手」
【ロサンゼルス26日(日本時間27日)=丹羽美佳子通信員】米大リーグ、ドジャースがパドレス戦に7-2で勝ち、ナ・リーグ西地区で3連覇を達成した。クリス・ウッドワード特別アシスタント兼巡回コーチ(48)がサンケイスポーツの取材に応じ、移籍1年目で優勝の立役者になった大谷翔平投手(30)について、「エリートであるのは、才能のおかげではなく、準備のたまもの」と活躍の秘訣(ひけつ)を語った。 【写真】デコピンを抱きかかえる大谷夫人の真美子さん 翔平は私がこれまで見てきた選手の中で、最も準備をする選手です。エリートであるのは才能のおかげではなく、事前の準備のたまものです。 私は2019年から22年まで、大谷が当時所属していたエンゼルスと同じア・リーグ西地区のレンジャーズで監督を務めていました。だから、敵の指揮官としても彼のことを観察してきました。「すごい。この選手は身体的に疲れないだけでなく、精神的にも疲れない」と驚いていました。そこに一番、感心しています。 登板翌日の投手たちが、回復することがいかに難しいことか、見てきました。体全体に負担がかかり、筋肉に張りや痛みが多く出ることも見ています。けれど、翔平は登板の翌日に打者として大活躍する。タフな運動量に耐えられるトレーニングとケアに時間を無駄なく使っているからこそ、心身ともに元気に笑顔で球場に来ることができるのかもしれません。 レンジャーズの監督から今は仲間になって、翔平の試合以外の姿も近くで見られるようになりました。大好きな野球へ純粋に情熱を注ぎ、夢中になっている姿は、まるで子供のようです。毎日をとても楽しんでいるように笑っている。つまり、彼は野球をするロボットではなく、優しい心を持っている人間なのです。 長くこの世界にいると、好成績を残す選手の中には相手への敬意を欠く振る舞いをする選手もいます。でも、翔平は誰に対しても敬意を払い、謙虚に振る舞う。多くのスーパースターが必ずしもそうではないことを見てきましたが、大谷は相手チーム、審判にもリスペクトを表現している。 いつも彼のプレーには本当に感動しました。正直、こんなに感動することは、なかなかないものです。そして、競争心がとても強い。敵の監督として見ていた投手・大谷はピンチで感情をむき出し、叫びながら投げる。