今季一軍未登板も二軍で防御率0点台…村田兆治から金言受けた「巨人の右腕」は
「離島甲子園」での出会い
菊地には恩人がいる。「マサカリ投法」と形容されたダイナミックなフォームを武器に、ロッテのエースとして通算215勝をマークした村田兆治氏だ。 村田さんと出会ったのは、全国の離島で野球に打ち込む子どもたちが集まる中学生の野球大会「離島甲子園」だった。中3の時に佐渡で開催されたと時に佐渡市選抜のメンバーとして出場。村田さんに「夢をあきらめない」という言葉を掛けられた。「自分がプロを目指すきっかけになった人。あの言葉があったから今がある」、「夢を与えてくれた存在ですし、この先もずっと村田兆治さんを追いかけていくことになる」と週刊ベースボールの取材で感謝を口にしていた。 プロ入り後も交流は続き、1年目の22年6月7日の西武戦(ベルーナ)でプロ初黒星を喫した際には、「負けることは悔しいから、しっかり練習をして周りを見返せるようにな」と電話で激励の言葉を受けた。村田さんは同年11月に72歳で逝去したが、プロの世界で活躍することが恩返しになる。
「目の前で胴上げは悔しい」
菊地は阪神が18年ぶりの優勝を決めた昨年9月14日の試合に登板している。「歓声はすごく大きかった。いつもとは違うなというのはありましたね」と本拠地・甲子園が異様な雰囲気に包まれる中、2点ビハインドの8回に登板して1回1安打無失点。「ああいう場面を経験できてよかった」と収穫を得た一方で、「目の前で胴上げというのは悔しいですし、優勝したいなと思いました」と思いを新たにした。 今年は春先から救援陣が好調だったこともあり、一軍から声が掛かっていないが気持ちが折れることはない。ファームで高いパフォーマンスを維持している。志が高い右腕は胸に抱く思いがある。 「自分がプロの世界で活躍することで、地元が活気づくと思う。佐渡の子どもたちに夢を与えたい」 優勝争いの緊迫感あふれる戦いが続く中、一軍から声が掛かる可能性が十分にある。必要とされた時に最大限の力を発揮できるように、最善の準備を尽くす。 写真=BBM
週刊ベースボール