「エストラーダを追ってバンタム級に上げることはしない」大晦日決戦を前に井岡一翔が明かしたKO決着とその先にある“野望”
プロボクシングWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(34、志成)が大晦日に大田区総合体育館で行われる同級6位のホスベル・ペレス(28、ベネズエラ)との初防衛戦に向けての公開練習を21日、都内の志成ジムで行った。対戦を熱望しているWBC世界同級王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との交渉が決裂。モチベーションの難しい試合となるが、「KOをお見せしたいという気持ちが強い」とKO勝利を公約。またエストラーダがバンタム級に上げる話も出ているが、彼を追い5階級制覇は目指さず、現階級に留まりナンバーワンを追求する考えを明かした。12度目の大晦日決戦。なお試合の模様はABEMAで無料生配信される。 【画像】あの美女格闘家が刺激的なへそ出しコーデでパキパキの腹筋披露
「KOをお見せしたいという気持ちが強い」
井岡の心の中にある何かが動いた。 「相手がどうじゃなく、なんかすごく今回はKOしたい。KOをお見せしたいという気持ちが強い。最近KOしていないということもあるが、久しぶりに倒して会場に一体感を作りたい」 12度目となる大晦日決戦に向けての公開練習の質疑応答で井岡がKO決着を公約した。 KO宣言は世界戦前の会見では定番である。だが、ここ数年のメモをひっくり返してみても、井岡の口からここまでハッキリとした“KO宣言”が出たことはなかった。この日も、KO宣言の前に、「KOで倒すことがすべてじゃない。勝つことに執着してやってきた」の前置きがあった。 それが井岡の哲学だった。1ミリ単位の駆け引き、互いの距離を奪いあう極限のスキル。技術を突き詰める井岡ワールドである。今回の試合に向けてのトレーニングで何を追求しているかをジェスチャーを交えながら熱弁した。 「自分自身のボクシングをコントロールすることを求めている。距離や、パンチに一つにしても、なぜその動きができるかを理解して、こういう戦いをしたいというものを、練習で確かめて、実戦で落とし込む。世界戦でそれを経験することで身につく」 ボクシング求道者の井岡をKO宣言へ駆り立てたものは何か。 「何かそう感じた」としか井岡は言わなかった。 ここ5試合は4試合が判定勝利で1試合がドロー。KO決着は元3階級制覇王者の田中恒成(畑中)の野望を木っ端みじんに打ち砕き8回にTKOした3年前の大晦日まで遡らねばならない。34歳。限界説への反発もあるだろう。 筆者は今回の大晦日決戦に待ち受ける“危険な罠”から脱するため、自らにかけたプレッシャーだと捉えている。 ギリギリまでWBC世界同級王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との対戦交渉を行ってきたが金銭面で決裂。急遽、6位のペレスとの防衛戦となった。 「ランカーとの防衛戦は世界王者の責務。大晦日の試合を楽しみにしてくれているファンがいて、その場を用意してもらえるのであれば、これ以上のやりがいはない」との理由で、12度目の大晦日決戦リングに立つことを決意した。
【関連記事】
- なぜ井上尚弥の父真吾トレーナーはタパレスの勝利自信度「2000%」発言を「オーラもない。尚弥が劣っているものは何もない」と一蹴したのか?
- 来年5月に東京ドームで井上尚弥VS“悪童”ネリのビッグマッチ計画
- 「(真の)世界王者はオレ。井上尚弥とタパレスが戦う価値があるのか」衝撃TKO勝利でWBAの指名挑戦権を得た前2団体王者のアフマダリエフが豪語…“第3の刺客”として急浮上
- 「最悪。風評被害が凄いですよ」亀田興毅が語る世界王者の重岡兄弟ファイトマネー未払い事件の真相
- なぜ井岡一翔はエストラーダとの統一戦が実現せずとも大晦日の世界戦を決断したのか…危険な“落とし穴”が待っている状況「リスクを背負っても勇気を届けたい」