町長VS町議「パワハラ行為」の有無めぐり真っ向対立 町議が町を相手取り名誉棄損で提訴(島根・美郷町)
山陰中央テレビ
パワハラ行為の有無を巡って主張が真っ向から対立しています。 島根県美郷町の町長が職員に対するパワハラ行為があったとして町議会議員に謝罪を求めている問題で、この町議が11月8日、会見を開き、パワハラは事実無根で精神的な苦痛を受けたとして慰謝料を求めて町を提訴したと明らかにしました。 美郷町・藤原みどり議員: 「パワハラなんて青天の霹靂。とんでもない言いがかり。個人としては納得できませんが嘉戸町長の行為が正しいか正しくないのか、裁判で示されれば納得できると考えました」 町を相手取り訴えを起こしたのは美郷町議会の藤原みどり議員です。 8日美郷町役場で代理人弁護士とともに会見を開きました。 事の発端は今年9月に嘉戸町長が開いた会見でした。 美郷町・嘉戸隆町長: 「他人への攻撃性の強い方とお見受けしているが、結論から申し上げると典型的なパワハラ事案にあたるのでは」 嘉戸町長は藤原みどり議員が町の職員に対してパワハラ行為を働いたと発表しました。 この時の町長の説明によると、藤原議員が議案説明をした町の職員に対して30分以上立たせたまま、大声で「誠意がない」などと議案に関係ない発言を繰り返したとしています。 この行為がパワハラにあたるとして議員に反省と謝罪を求めていました。 美郷町・嘉戸隆町長: 「少しハラスメント意識が低いというか欠如されているのではないかと。組織の責任者として毅然と対応したい」 一方、藤原議員は8日の会見でパワハラ行為を行った事実はないと否定しました。 美郷町議会・藤原みどり議員: 「皆さんのために私は町議になったつもりでおります。みなさんのためにこの町がよくなればと思っております。皆さんとともに美郷町を良くしていきたい」 職員に対して立ったまま説明するよう命じたことはなく、大声を出したのは職員の誤った発言を正すための一時的なもので、自らの言動はパワハラにあたらないとしています。 また、町長が会見を開いた直後から自宅への無言電話やSNS上で誹謗中傷が続いていると訴えています。 美郷町議会・藤原みどり議員: 「『くそばばぁ早く辞めろとか』『早く謝罪しろ』とか、ひどいことをいっぱい書かれた。親族まで被害に遭い心を痛めている」 藤原議員は町長の虚偽の発表で精神的苦痛を受けたとして、町に対して慰謝料など350万円の支払いを求めた裁判を松江地裁に起こしたことを明らかにしました。 町は「訴状が届いておらず現段階ではコメントできない」としています。 平行線を辿る町長と議員の対立…。 宍道正五記者: 「争点はパワハラを巡る見解の相違です。人口4千人あまりの町で起きた対立は混迷の様相を深めています」
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