人生でいちばん衝撃を受けた異国の味といえば…〈稲田俊輔×甘糟りり子〉
ドジョウ汁に惚れ込んでいます
甘糟 この本には韓国料理が入っていないですよね。理由があったんですか? 稲田 正直なところ、自分に全くといっていいほど体験がなかったんです。外国料理を知るからには、その国の方が日本に来てやられているお店は絶対外せないという感覚があるんです。ただ、インド人がやっているインド料理店、スリランカ人がやっているスリランカ料理店には行けるんだけど、韓国人の方がやっている韓国料理店には、文化的な距離が近いがゆえのアウェー感を感じてしまって、なかなか踏み出せなかったんです。でも、ついに長年の禁を破って、韓国料理デビューを果たしました。 甘糟 どちらに行かれたんですか? 稲田 新大久保周辺ですね。今、「ヤンピョンヘジャンク」のドジョウ汁に惚れ込んでいます。世界の汁もののなかでトップクラスくらいに思っています。 甘糟 トムヤムクンを超えました? 稲田 余裕で超えました! あと一年くらいしたら、「韓国料理編」が書けるかもしれません。甘糟さん、注目している外国料理はありますか? 甘糟 最近だと、代々木上原の「ガテモタブン」で食べたブータン料理が印象的でした。辛いチーズのスープが美味しくて。現地に行ってみたくなりました。 稲田 僕が行きたいのはトルコです。西洋と東洋が混ざりあったトルコ料理に憧れているんですが、日本のトルコレストランのメニューって定型化しているので、そういうものでないトルコ料理を探したいなと。世界にはまだまだ知らない味があると思うとワクワクします。今日はありがとうございました。 (本記事は「青春と読書」2月号より転載)