【第96回アカデミー賞】国際長編映画賞、ヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』は受賞を逃す
現地時間3月10日(日本時間3月11日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催中の第96回アカデミー賞授賞式。国際長編映画賞に輝いたのはジョナサン・グレイザー監督による『関心領域』(5月24日公開)で、ヴィム・ヴェンダース監督が役所広司を主演に迎えた『PERFECT DAYS』(公開中)は惜しくも受賞には至らなかった。 【写真を見る】国際長編映画賞に輝いたのは、アウシュビッツの強制収容所と、壁一枚隔てた屋敷に住む収容所所長家族の姿を描いた『関心領域』 『PERFECT DAYS』は、『パリ、テキサス』(84)、『ベルリン・天使の詩』(87)などで知られる名匠ヴェンダース監督が、日本を舞台に撮り上げたヒューマンドラマ。東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所)を主人公に、静かに淡々とした日々を生きる平山に起こる思いがけない出来事と、そこから生じる揺らぎを美しい映像と音楽と共に丁寧に描く。 第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては『誰も知らない』の柳楽優弥以来19年ぶりに最優秀男優賞を受賞し、エキュメニカル審査員賞も受賞。海外での批評も上々とオスカーへの期待は高かったが、濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』以来2年ぶりの日本映画の国際長編映画賞受賞とはならなかった。 なお、見事受賞した『関心領域』は、『PERFECT DAYS』と同じく第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、グランプリを受賞。第96回アカデミー賞では作品賞にもノミネートされている。 文/成田おり枝
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