PTAを解散したら…「楽しい」と笑って活動する親が増えた 保護者にのしかかる負担を減らし、義務・強制をやめる方法とは
―一方で、PTA活動を見直す動きもでてきているように思います。 「統計を取っているわけではないですが、全国的にも改革の機運は高まっていると感じています。PTAを解散したという話も聞きますし、僕の経験を話してほしいとトークイベントに呼ばれることも増えました」 ―新型コロナウイルス禍を機に、PTA活動を縮小した学校も多いと聞きます。 「コロナ禍で本当に必要な活動を選別せざるを得ないようになりました。コロナ禍でPTA改革が進んだと思います」 ―どのような組織になれば、負担を感じずに済むでしょうか。 「任意団体として自由に運営して、義務にしばられず楽しそうにやっていたら、人は集まってきます。できないことはやらなければいいだけです。他のママやパパとつながりたいと思っている保護者はたくさんいますよ」 敬遠される組織から脱却するヒントがありそうだ。 【取材後記】 私は子どもの通う小学校で副会長を務めた。会長の方針は「持続可能なPTAにしていきましょう」。デジタルツールを活用しながら、これまでなんとなく続いてきた業務を可能な範囲で見直した。が、それでも仕事をしながらこなすのはきつかった。
中でも疲弊したのは、次の役員を決めることだった。立候補制だが、自ら手を挙げてくれるのはわずか。役ごとに定められた人数を満たすため、引き受けてくれそうな人に必死に声をかける。お願いする方もつらいが、される方もつらかったと思う。どの学校でも同じようなことが起きているのだろうと想像した。 取材を終えた今、「やらなければならない」という概念を取り払った志賀小と岩倉北小のように、自由度の高い組織が増えるといいなと感じている。