横浜国際プール再整備案公表、12月以降に延期 市民意見、異例の3千件超
夏季はプール、冬季は体育館として運用している横浜国際プール(横浜市都筑区)のメインアリーナについて、プールを廃止し体育館に一本化する市の再整備計画の素案を巡り、市は18日、9月ごろとしていた原案の公表時期を12月以降に延期すると発表した。方針決定の過程に生じた疑念を拭えずにいる中、極めて異例の3千件を超す市民意見が寄せられ、性急な結論は出せないと判断した形だ。 市は6月に公表した素案で、メインアリーナを「通年体育館化」するとともに、客席数を拡充してVIP席を新設するなどの方針を打ち出した。これにより、新体制に移行するプロバスケットボールリーグのアリーナ基準に適合し、「横浜ビー・コルセアーズ」のホームゲームを継続して開催できるほか、他競技のトップチームも利用可能な施設になると強調している。 しかし市議の一部からは、素案をまとめた市に対して「結論ありき」との批判が上がっている。 市は2022年2月の外部監査報告で、プールと体育館を兼用するための床転換費用年間5千万円余りや工事に伴う2カ月の空白期間に疑義を呈され、議論を本格化させたと説明してきた。だが21年12月の段階で、プロバスケリーグの新基準を考慮しつつ、庁内で通年体育館化の検討を進めていた経緯が判明している。
神奈川新聞社