出番は年末の大掃除、江戸時代から続く「松本箒」生産ピークに
1人1日に1・5本を作るのが精いっぱい
大掃除で需要が高まる年末に向け、塩尻市広丘吉田の米沢ほうき工房で作り手が「松本箒(ほうき)」の生産に追われている。11日は3代目の米沢資修(もとなお)さん(48)らが、天日干ししたホウキモロコシの穂先を慣れた手つきで編んでいた。 【動画】慣れた手つきで松本箒を作る生産者
松本箒の生産は江戸時代末期に始まったとされ、松本市野溝地区を中心に盛んに作られたが、今では生産者はわずか。穂先の束四つを麻ひもで編み合わせる「四つ玉」が基本で、ずっしりと厚みがあるのが特徴だ。
「掃除楽しくなった」聞くとやりがいに
同工房は、米沢さんと両親の3人でほうきを製作。周辺の畑計60アールで育てたホウキモロコシを使用し、ほうき1本に約100本の穂先を使う。1人が1日に1・5本を作るのが精いっぱいという。 近年は若い世代からも人気があるといい、米沢さんは「家を傷めず、何十年も使えるのも魅力。『掃除をするのが楽しくなった』と聞くとやりがいを感じる」と話していた。