『新空港占拠』獣が結成されたきっかけとなる事件の真相 謎の男・ジェシーの狙いとは?
『新空港占拠』(日本テレビ系)は10人の獣たち全員が“十二支”のお面を外し、その素顔をさらけだしたところで後半戦へと突入していく。2月17日に放送された第6話では、彼ら獣たちの大部分を結びつけることになった事件の真相、そしてその先にある占拠の目的まで一気に判明することとなる。それでもまだ、リーダー格である龍=悠月(高橋メアリージュン)が何者なのか、駿河(宮本茉由)がなぜ彼らに加わったのかという点については不明確なままだ。 【写真】捕えられている裕子(比嘉愛未)と謎の男(ジェシー) 獣の新たなターゲットとなったのは、かながわ新空港の社長である天童(黒沢あすか)。彼女が5年前についた“嘘”を解き明かすために、和泉(ソニン)のカバンに入れられていた犬のお面に仕込まれていた座標から百首神社にたどり着いた武蔵(櫻井翔)。そこで5年前に起きた殺人事件について調べ始めた矢先、神社の神主・七尾(半海一晃)に襲われ間一髪のところで彼を拘束する。そして5年前の事件の被害者の娘、その事件で容疑者として逮捕された3人の漁師仲間たちについての情報を聞き出すのである。 考えてみれば、視聴者は漁師仲間である3人――猪=松長(後藤剛範)、牛=掛川(サーヤ)、馬=堀江(竹内まなぶ)――の素性に前回と前々回でたどり着いていたが、武蔵たち警察の指揮本部側は彼らが獣であるところまで把握していなかった。それは百首事件の被害者・浜松の娘である兎=浜松奏(安斉星来)と羊=浜松詩(山本千尋)についても然り。彼ら5人が獣であると知り、加害者と被害者遺族が結託していることへの違和感から、百首事件の不可解な点へと探りを入れていく。 当然そこで見えてきたのは、空港建設反対を訴えていた漁師の浜松を、天童が誰かに指示して殺させたということであり、その“誰か”とは、虎=丹波(平山浩行)の妻を殺したのと同じ、またしても川越署長(片桐仁)であったわけだ。そしてその背後にもまた、山猫という黒幕が存在している。誰も姿を見たことがない山猫だが、間接的に指示を受けて悪事を働いていた米沢(長田成哉)の話によれば、「空港建設を計画した」人物であり、北見(手塚とおる)はおそらくその正体を知っており、天童は居場所を知っている。 そして1年前に病院を占拠した鬼たちのリーダー・大和耕一(菊池風磨)は、山猫が1月13日(劇中で空港占拠事件が発生している日だ)にかながわ新空港にやってくるという情報を持っており、それを駿河に書籍暗号を通して伝え、獣たちが結成された。配信で龍は、その山猫の正体を明らかにするよう武蔵に命じる。 詰まるところ、山猫は空港のなかにいる。ということは人質の誰か、ということになるわけだが、山猫が武蔵の兄・健一の失踪にも関与していたとなれば、年齢的なものを踏まえて選択肢は二葉(奥貫薫)か北見のどちらかに絞られるのだろう。とはいえ二葉にそこまでの権力があるのか疑問が生じるし、そもそも彼女は空港に“連れてこられた”わけで、かといって北見であれば直球すぎる。 一方で裕子(比嘉愛未)のほうは、引き続き謎の男(ジェシー)と共に綾部(吉田健悟)に捕えられていたわけだが、綾部は執拗に男に対して“データ”を求め、その男のカバンからは武蔵の写真が出てくる。綾部を制圧したのち、男に連れて行かれた先は獣たちのアジト。そこで男の正体が鼠=大河という獣の一員であることが判明する。彼はなぜ空港占拠に参加していないのか、なぜ綾部に追われているのか。綾部がメッセージのやり取りをしている相手は誰なのか。ここも終盤のカギを握るポイントとなるはずだ。
久保田和馬