ハローワーク利用離れ 愛媛県内8施設、7年で新規求職17.8%減 中小のマッチング機会喪失
求職者の「ハローワーク離れ」が進んでいる。新型コロナウイルス禍を経て、就職・転職に関する情報収集や職業紹介の手段が加速度的にオンラインに移行し、県内に八つあるハローワークの新規求職申込件数が激減。2016年度は6万4109件あったが、23年度には5万2697件と1万件以上(17・8%)落ち込む。一方、新規求人数は大きく減少しておらず、地域の事業者への人材紹介という使命を満足に果たせていない状況にある。 別のサービスを使って就職・採用ができているのなら、問題ないのでは―。こうした考えを労働局職業安定部の柴川達也部長は明確に否定する。県内の有効求人倍率は21年11月以降1・30倍を常に超え、人手不足は慢性的な状態。「県内事業者が民間の各種サービスで人を雇えているのであれば構わないが、そうはなっていない」と事態を深刻に捉える。 柴川部長は、求職者がハローワーク以外にも多様な職探しの手段を持つのは良いことだと前置き。その上で、自身で検索する場合、知名度の高い大企業や日常接する機会の多いBtoC(対消費者)企業に関心が偏ると指摘する。結果として、地方の中小企業を含めた多様な職場とのマッチング機会を喪失しているという。
愛媛新聞社