定年が近い両親から貯蓄が「400万円」しかないと聞きました…退職後の生活は大丈夫なのでしょうか?
両親の定年が近くなると、老後の生活費は用意しているのかと不安に思うケースも少なくありません。実際に両親の貯蓄が少ない場合は、子どもからのサポートが必要な場合があります。 もし余裕があれば子どもから仕送りする方法もありますが、仕送りができないときは必要に応じて生活保護の利用をすすめることも検討しておきましょう。 今回は、老後の貯蓄として400万円は多いのかということや、貯蓄の少ない親に対して子どもができることなどについてご紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後に必要なお金はいくらくらい?
総務省統計局が公表している「家計調査報告」によると、65歳以上の夫婦無職世帯の収支は毎月3万7916円のマイナスでした。1年間だと45万4992円不足することになります。 同調査報告において、年金などの社会保障給付も収入に含まれているため、不足分は基本的に貯蓄から補わなければなりません。定年を迎えたときに退職金がない場合、貯蓄400万円では約8年分を賄えることになります。仮に65歳から貯蓄と年金のみで暮らすとすると、73歳までの計算です。 人生100年時代といわれる現代では、80代まで生きる方も少なくありません。貯蓄が400万円の場合は、80代までの生活費は賄えないことから老後の生活費としては少ない可能性があるといえるでしょう。 ■60代の平均貯蓄額 平均貯蓄額を知っておくと、老後に向けての目標貯蓄額の目安にできます。 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、2人以上の世帯かつ60歳代の預貯金残高合計の平均金額は458万円でした。また、金融資産保有額の平均は2026万円なので、平均貯蓄から考えても貯蓄が400万円なのは少ないといえるでしょう。 ただし、退職金制度のある会社の場合は、退職金で老後の生活費を賄える可能性もあります。 厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、大学卒業をした方で管理・事務・技術職に就いており、20年以上勤続した45歳以上の方の平均退職金額は、定年退職で1896万円でした。貯蓄の400万円と合わせると2000万円を超えるため、老後の生活費にもゆとりができます。 退職金の有無は、老後の資金計画にも大きくかかわってくるので、両親に確認しておきましょう。