斎藤経産相「全国の4分の1の自治体には書店がない」「子どもたちは書店知らずに育つ」…大幅減に危機感
経済産業省が設置した大臣直属の「書店振興プロジェクトチーム」の企画、第2回「車座ヒアリング」が12日、東京都千代田区の日本出版販売で開かれた。斎藤経産相と、外遊の際に海外の書店をよく訪ねる上川外相、盛山文部科学相の3大臣が参加。先進的な書店からの報告を受け、減少を続ける街の書店への思いや課題を語り合った。
斎藤経産相は現在、全国の4分の1の自治体に書店がないことに触れ、「(これらの)市町村で生まれ育つ子どもたちは、書店を知らずに育つことになる」と危機感をあらわにした。
上川外相は、海外の書店を訪ねた経験を踏まえ、「書店には各国の歴史や文化、人々の関心が凝縮している。書店に置かれた日本の書籍を見ること自体も(海外の)日本への関心を知る機会になる」と、文化外交上の拠点としての意義が大きいことを強調した。
一方、直木賞作家で、書店経営者でもある今村翔吾さんは、「書店が戻ってきたときに若者が一番喜んでくれた」と、高齢者だけでなく若い世代の間にも書店を求める声が大きいことを指摘。「次世代に書店を残すため出版界全体が変わらないといけない」と述べた。
経産省のプロジェクトチームは今年3月に発足。11日に示された政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案には、書籍を含む文字・活字文化の振興や書店の活性化が盛り込まれた。