いくら乗っても「同じ府県から出られない」長距離・長時間列車 例えば、長野発飯田行きは4時間43分もかかる
特急列車でも県の広さを実感できるのが「特急あしずり7号」。土讃線の高知を15時49分に出発する列車は高知県の南西方向へ。途中の窪川から土佐くろしお鉄道中村・宿毛線に乗り入れて17時59分に宿毛に到着する。所要時間は2時間10分。新宿駅から特急あずさに乗車した場合、長野県の上諏訪に到着する時間だ。 同じく特急で広さを感じることができるのは「特急はしだて」。京都から山陰本線、京都丹後鉄道の宮福線、宮豊線を通って天橋立へ向かう列車。最初から最後まで京都府から出ないこの列車の京都ー天橋立間の所要時間は2時間2分~2時間19分。京都というと、京都市周辺の風景を思い浮かべる方が多いと思うが、この列車に乗ると京都の広さ、京都の新たな魅力を発見できるだろう。
早朝出発のものや、1日1本のものなど、地元に住んでいなければ乗車するのが大変なものもあるが、乗客や風景の移り変わりから感じることができる県内、府内の文化の多様性を感じることができそうな「乗っても乗っても」列車。一度乗ってみてはいかがだろうか。
渡辺 雅史 :時刻表探検家