仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】
経験豊富な強打者が打線引っ張る
打線は昨秋の県大会では5試合で28得点と機能した。全試合で4番に座った齋藤 大翔外野手(3年)が打率.455、1本塁打と結果を残し、佐藤 春希内野手(3年)、高野 聡介外野手(3年)らも高打率をマークした。 同じく3割超の打率を残し、勝負強さも発揮した右の強打者・沼田 和丸外野手(3年)は、野手陣の中では主将の飯塚 祐太内野手(3年)と並ぶ経験値を誇る。昨年は春、夏の県大会も複数ポジションで試合に出場。主力選手の多くを占めていた1学年上の代に割って入り、存在感を示した。沼田は「今の自分があるのは、先輩たちが負けていても最後まで諦めない粘り強さを教えてくれたから。自分はそのことを、プレーを通じてチームメイトに伝えたい」と力を込める。 昨秋、仙台育英に勝利した試合では、4回に先制の適時打を放った。1死一、二塁の好機で打席に立ち、「頭は真っ白だった」。それでも「打つしかない。とりあえず来た球を振ろう」と必死に食らいつくと、左前に落ちる安打になった。今年も打線の中軸を担い、培ってきた勝利への執念をチーム全体に伝播させるつもりだ。
攻守の要である三宅 翼颯捕手(3年)もキーマンの一人。夏までは打撃面に課題を感じていたが、秋の地区大会前にノーステップ打法に変え、バットを寝かせて肩に担ぐ構えを取り入れると、打席でボールがよく見えるようになった。 県大会は全試合で安打を放ち、打率.400をマーク。守っても複数の投手陣を好リードした。今オフは打撃はもちろん、ブロッキングなど守備力の強化に重きを置いてきたという三宅。「キャッチャーは司令塔。投手からも野手からも『こいつに任せておけば大丈夫』と信頼されるキャッチャーになりたい」と意気込んでいる。 昨秋4強止まりとなった要因について、選手たちは「心の緩みがあった」「隙を突かれた」などと口にした。今年は昨年得た収穫と課題を生かし、先輩たちから受け継いだ「粘り強い」野球を貫く。 (取材=川浪康太郎)