常葉菊川―中京　相手打線を1失点で完投。適時打を放ち投打で活躍した常葉大菊川の大村＝草薙球場

　来春の選抜大会につながる第77回秋季高校野球東海大会は20日、草薙球場とちゅ～るスタジアム清水で準々決勝を行い、4強が出そろった。2年ぶりの選抜出場を目指す常葉大菊川（静岡1位）は、中京（岐阜2位）に4―1で逆転勝ちした。 ▽準々決勝（草薙第1試合） 常葉大菊川（静岡1位） 001300000―4 100000000―1 中京（岐阜2位） ▽三塁打　橘木（常） ▽試合時間　1時間49分 【評】常葉大菊川が要所で勝負強さを発揮し、中京に逆転勝ちした。 　初回に先制された常葉大菊川は三回に2死から連打で好機をつくり、小川の適時打で追い付いた。さらに四回、無死二塁から石田の右前打で勝ち越すと、なおも好機で大村が中前へ適時打、続く橘木も右翼線への適時三塁打を放ち点差を広げた。 　先発大村は初回に1点を失って以降は立ち直って相手打線を寄せ付けず、完投した。 　■　勝負強さ発揮　先発大村が投打で活躍 　打って投げての活躍で大事な初戦をものにした。常葉大菊川の先発大村は中京打線を1失点に抑える好投。打席でも貴重な適時打など効果的な仕事を果たし勝利に貢献した。チームは4本の適時打で4得点と好機で勝負強さを発揮。県大会同様に投打で随所に力を示した。 　「初戦という緊張もあり力んだ」と初回は球が上ずり失点した大村。だが辛抱して追加点を与えず、攻撃で自身が反撃の火付け役となった。三回に2死から安打で出塁し同点のきっかけをつくり、1点を勝ち越した後に回った次の打席でも適時打を放ち自分を楽にした。 　投球は本調子ではなかったが、足を上げた際のバランスを修正して徐々に感覚を取り戻し、持ち味の緩急と制球力が尻上がりに向上。二回以降は三塁を踏ませず「2点までに抑えれば野手が援護してくれる。考えて配球してくれた捕手の町田に感謝」と振り返った。 　2年ぶりの選抜出場へ好発進したが、チームに安堵（あんど）する様子はない。石岡監督は「安打は出たが残塁が多かった」と課題を挙げる。視線は既に大一番となる至学館との準決勝。何としても勝利を手にする意気込みだ。