ソフトバンクが社債800億円、金利上昇で強い需要-発行額倍増
(ブルームバーグ): 国内通信大手のソフトバンクが総額800億円の社債を発行する。日本銀行によるマイナス金利の解除で金利が上昇局面にある中、発行額を当初の400億円程度から増額し、最終的な投資家需要は1倍を超えた。
ソフトバンクは21日、3年債と5年債の発行条件を決めた。発行額と利率はそれぞれ200億円(0.828%)、600億円(1.189%)となった。2023年7月に同じく3年債と5年債を発行した際の利率は0.32%と0.82%だった。
国内社債市場での調達は今年2度目で、1月には1400億円を調達した。同社はモバイル事業に加え、生成人工知能(AI)など法人向け事業を強化しており、積極的な資金調達を行っている。
23年には社債型種類株を発行し、1200億円を調達した。今年5月には自動車向けにモノのインターネット(IoT)プラットフォームを展開するアイルランドのキュービックテレコム買収に伴い、国際協力銀行などから760億円を借り入れる契約を結んだ。
ソフトバンクの広報担当者はブルームバーグの取材に対し、今回調達した資金は借入金の返済に充てると説明した。
主幹事のみずほ証券によると、3年債、5年債の投資家需要倍率はそれぞれ1.2倍、1.1倍。販売先は3年債では系統上部、中央公的、生保など中央の機関投資家が8割を占めた。5年債では損保など中央が7割、地銀や諸法人などが残りを占めた。
社債市場では24年度に入りインドネシア共和国やバークシャー・ハサウェイが円債を発行し、日本の投資家の強い需要を集めた。21日時点でも米投資会社KKRが円建て債の発行に向けて準備し、住友化学は劣後債を含む社債1500億円の発行登録を行うなど、国内外の発行体の動きが活発化している。
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Takahiko Hyuga