韓国・朴大統領の人脈「最大のタブーと認識した」 産経元ソウル支局長
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を傷つけたとして同国で起訴され、その後無罪となった産経新聞の加藤達也元ソウル支局長は16日午後、東京都内の外国特派員協会で記者会見した。 【中継録画】産経の加藤元ソウル支局長が外国特派員協会で会見 問題となったのは、セウォル号沈没事件当日の朴大統領の動静に関して加藤氏が書いた2014年8月のコラム記事。韓国ではいま、朴大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)容疑者による国政介入疑惑が波紋を広げている。コラムに崔容疑者は登場しないが、元夫の鄭允会(チョン・ユンフェ)氏の名前が出てくる。 加藤氏は、コラム問題での韓国検察の取り調べを振り返り、「朴大統領を取り巻く人脈について、どのような根拠、取材を元にして書いたのか、資料があれば提出するように迫られた。韓国の左派系のネットメディアと共謀し、悪意を持って朴氏の人間関係を暴き、描こうとしたのではないか、そういった形の追及がなされた。そのとき私は、これは朴大統領の、朴政権の最大のタブーであると、そう認識した」と話した。そして、コラム問題と国政介入疑惑の二つは「背景が同じだといえる」との見方を示した。 さらに、韓国での裁判についても「日本など民主主義国家では裁判所は戦いの相手というよりは、法律と証拠を冷静に審理し判決を下す、真相解明と正義実現の場であるはずなのに、ソウルの裁判所は審判のためでなく、気に入らない日本人のジャーナリストを懲らしめるという性格の非常に強い公判廷だった」などと語った。 加藤氏は、コラム問題で朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして2014年10月に起訴されたが、昨年12月に無罪となった。