アイナ・ジ・エンド、映画初出演で『キネマ旬報』新人賞獲得 背中ぱっくりドレスで喜び語る
歌手で俳優のアイナ・ジ・エンドが18日、都内で行われた映画雑誌「キネマ旬報」を発行するキネマ旬報社による映画賞「2023年 第97回キネマ旬報ベスト・テン」授賞式に登壇した。映画初出演となった『キリエのうた』(岩井俊二監督)で新人女優賞に選出。背中のぱっくりと開いたピンクのドレスで魅了しながら受賞の喜びを語った。 【写真】背中を大胆に露出!ドレス姿のアイナ・ジ・エンド アイナは岩井監督に「見つけていただいて拾っていただきました」と感謝をしつつ「こんな私が映画に出れるのか不安でたまりませんでした。お芝居の教科書みたいな広瀬すずちゃんが背中で波動をバンバン出してくれてそこについていったら、お芝居が楽しくなりました。この賞は広瀬すずちゃん、岩井俊二監督、私の心を芯まであたためてくれたキリエチーム、足を運んでくださったファンのみなさんのおかげでここに立っています」と感慨にひたった。 “恩師”である岩井監督は「おっきな木みたいな人」「黒目が定まっている(笑)」」と独特な表現で「クランクインの日、雪がたくさん降っていて、岩井さんは仁王立ちで雪をじーとみつめていた。普通ならもっと焦ると思うんです、岩井さんが本当にりんとしていらっしゃって、この人なら私は身を委ねられる。この人についていきたいな」と信頼を寄せる。 さらに劇中では6曲の音楽を制作。「当時はBiSHというグループをやっていて解散までの1年間駆け抜けている時期。ツアー中にギターを相棒のように持ち歩く日々でした。夜な夜な近隣の迷惑にならないようにタオルで口を塞ぎながら、作曲していた。とある日、なにもできない。『もう嫌だ』『もうかけないかも』と岩井さんに行ったら『アイナさんが書いたほうがあとで後悔がない』とおっしゃってくださいました。私よりすてきな曲を書かれる方は、たくさんいらっしゃるのに私に委ねてくれました。その言葉が強く、やるしかない、と。その焦燥感やヒリヒリしたような気持ちが自然と曲ににじんでいった」としみじみと回想していた。 このほか主演女優賞は、塚本晋也監督の『ほかげ』で戦後の劣悪な環境の中でもたくましく生きる主人公を演じた趣里。主演男優賞は、昨年5月の「第76回カンヌ国際映画祭」でも最優秀男優賞を受賞した『PERFECT DAYS』の役所広司が受賞した。趣里は体調不良により欠席、現在、海外滞在中の役所はビデオメッセージを寄せた。 授賞式には、二階堂ふみ、磯村勇斗、塚尾桜雅、阪本順治(脚本)、井上実、瑠東東一郎監督、川本三郎が参加した。 ■第97回キネマ旬報ベスト・テン結果 ▼日本映画第1位 『せかいのおきく』(阪本順治監督) ▼外国映画第1位 『TAR/ター』(トッド・フィールド監督) ▼文化映画第1位 『キャメラを持った男たち-関東大震災を撮る-』 ■個人賞 ▼主演女優賞 趣里(『ほかげ』) ▼主演男優賞 役所広司(『PERFECT DAYS』『ファミリア』など) ▼助演女優賞、二階堂ふみ(『月』) ▼助演男優賞 磯村勇斗(『月』『正欲』など) ▼新人女優 アイナ・ジ・エンド(『キリエのうた』) ▼新人男優賞 塚尾桜雅(『ほかげ』) ▼読者選出日本映画賞 瑠東東一郎(『Gメン』)