【専門家解説】高齢者のお風呂・入浴介助で気を付けたい注意点や対策方法は?
自宅で介助が必要に。高齢者の入浴介助の注意点
編集部: 自宅介護で注意することはなんですか? 尾﨑さん: 介護者も一緒になって転倒してしまう可能性があるので、滑らないよう注意するようにしましょう。また脱衣場と浴室内の室温の差が大きくならないようにしてください。ほかにはお湯を掛ける際、心臓よりも遠い場所から掛けると心臓への負担を減らすことができますので、まずは足元から掛けるようにしましょう。そして入浴後、立ちくらみによりふらつくことがあります。室内に戻り高齢者の方が落ち着くまでは気を抜かないよう注意してください。 編集部: 足腰が悪く、ほかは健康的な方の場合、特に転倒に気を付けておけばよいですか? 尾﨑さん: 健康だと思っていても、高齢者の方は心臓など弱っていることもあります。入浴は体に負荷を掛ける行為ですので、なるべく短時間の入浴にするようにしましょう。また入浴前後の体調確認や補水は必ず行ってください。入浴後、異変があればすぐに病院や救急へ電話をしてください。 編集部: 湯船に入る時間はどれくらいがよいでしょうか? 尾﨑さん: 長く湯船につかると、立ち上がった際のめまいにつながりのぼせてしまう可能性があります。また心臓に強い負荷が掛るため、10分以内には湯船から上がるとよいでしょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 尾﨑さん: 高齢者の方の入浴は、健康な人や若い人よりも気を配らなければならないことが多くあります。ケガや健康に気を配りながら1日の疲れを癒してください。また自宅介護に限界を感じたら、介護サービスを利用することも考えましょう。プロに任せることは介護者・介護を受ける人お互いの心身の負担を減らすことにもつながります。
編集部まとめ
入浴の際に起こるヒートショックや入浴後の脱水症など、普段の入浴前後に少し気を配るだけで防げる事故や病気もあります。また自宅介護を行っている場合、福祉用具の利用も検討してみてください。介護者・介護を受ける方双方のケガや事故のリスクを減らすことができます。さらに、入浴時や入浴後に異変を感じたらすぐに病院や救急に連絡するようにしましょう。
【この記事の監修介護福祉士】
尾﨑 佳奈 介護福祉士 福祉系の4年制大学卒業、社会福祉士と介護福祉士の資格を保有。中途の聴覚障害がありコミュニケーションに困難があるものの、大学卒業後は障害者支援施設で2年半生活支援員として勤務。その後地域密着型特別養護老人ホームで介護福祉士として5年半勤務。現在は子育てをしながら、主に福祉系のwebライターとして活動中。
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