「芸人としての欲はまだまだある」ホームレス中学生からバスケ芸人へ、麒麟・田村裕の現在
発行部数200万部超えの大ベストセラーとなった自叙伝『ホームレス中学生』のヒットから約17年。お笑いコンビ・麒麟の田村裕が新境地を切り開いている。関西ローカルに複数のレギュラー番組を抱えながら、数年前からバスケットボールに関わる仕事が増え、バスケスクールも複数運営するなど“バスケ芸人”としての地位を確立。そんな田村の現在の仕事とは? 【写真】“バスケ芸人”としての地位を確立した、麒麟・田村裕
バスケスクールの運営や3人制バスケチームのオーナーも務める
自叙伝『ホームレス中学生』での大ブレイク、そしてほとんど仕事がない暗黒時代を経て“バスケ芸人”としての地位を確立した、お笑いコンビ・麒麟の田村裕。 「今はバスケに関わる仕事がかなり増えました。お笑い芸人の仕事とバスケ関連の仕事の割合は、半々ぐらいですね」 小学生を対象としたバスケスクールの運営も手がけ、現在は関西で6校を展開、7校目の設立にも動いている。既に計200人近い生徒を抱え、近く東京にも進出する予定だ。 田村が監修するYouTubeチャンネル「麒麟田村のバスケでババババーン!」は、登録者数5万人超え(2024年3月現在)。また、プロバスケットボール選手の岡田優介、お笑い芸人の大西ライオンとともに、3x3(3人制バスケ)チーム「TOKYO DIME」の共同オーナーも務めている。 バスケは“ホームレス中学生”として極貧時代を過ごした時期に、田村の心の支えとなった大切なスポーツ。その仕事ぶりからは、バスケへの恩返しの思いも伝わってくる。 「バスケの仕事は、あまり“ビジネス”という感じでは捉えていません。息抜きの延長というか、楽しくやっています。バスケスクールだって、ビジネスとしては正直成り立っていない。本当はもっと多く月謝を取ってもいいんでしょうけど、少しでも多くの子供たちにバスケをしてほしいから、これ以上価格を上げたくないんです」 2009年からレギュラー出演する「探偵!ナイトスクープ」に加え、2023年5月からは朝の人気情報番組「よ~いドン!」の人気コーナー「いきなり!日帰りツアー」を担当するようになるなど、芸人の仕事も一時期のドン底状態を脱した。 相方である川島明からは「本当にバスケしかしていない。週8でバスケをしている」とイジられるが、田村の仕事の軸はあくまで“お笑い”にある。 「『ホームレス中学生』のヒットで嘘みたいに売れたけど、その熱が冷めたら一気にテレビに出られなくなりました。でも、『田村は通用しなかったな』で終わるのは嫌。『あいつ、おもろいやん』って思われたいという“お笑い芸人としての欲”は、まだまだあります」